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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第158話:君が欲しくて
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について行くとしてだ……何処までだったら俺の要求に応えてくれる?」
「内容によるわね」
「例えば、今この場で奏達を亜空間の外に出してくれと言えば応えてくれるのか?」
「今すぐに、は無理な話ね。出した途端反故にされたら困るもの。ただし殺さない事は約束できるわ。彼女も、君にとっては大切な人みたいだしね」
颯人が立派に成長していれば、当然奏だって立派に成長している。嘗て見た少女の面影を持つ奏が颯人にとってのアキレス腱である事にはすぐ気付けた。故にサンジェルマンは、彼の要求に対する落とし所を探しつつ答えを返した。
流石にそう上手くはいかないかと肩を落としつつ、そろそろ十分かと自身の考えを口にした。
「あ、そ。ま、いいや。あぁ、それでどうするかだっけ? 答えは決まってるよ。お断りだ」
「理由を聞いても?」
「聞くまでも無いだろ? アンタらは平然と他人を犠牲にしちまえるような奴らだ。そんな奴らに俺がついて行く訳ないっしょ? んな事に加担して、俺はどの面下げて奏の前に立てばいいんだよ?」
「彼女を守る為だとしても?」
「アンタが思ってるほど奏は弱くない。余計なお世話って奴だよ」
「世界全部が敵になるとしても?」
「上等だ。世界を相手に奇跡を起こして見せるさ」
颯人の心は揺るがない。サンジェルマンが口にした世界革命と言う言葉が、世界を相手に戦いを吹っかけて世界の在り方を変える事を目的にしていると言うのであれば、それに乗っかる訳にはいかなかった。そんな事をすればどれ程の命が失われるか分かったものではない。どれ程の血を被ることになるか想像もしたくない。
そしてそんな血まみれの姿を、奏に見せる様な事は絶対にしたくはなかった。
そんな事をするくらいなら、颯人は茨の道であっても彼女を相手に胸を張れる生き方をしたかった。今の世界が続いた末に世界が奏を害そうとすると言うのであれば、颯人はその世界を舞台にして奇跡を起こす覚悟がある。
それは希望ではない。誇りであり確信だ。奇跡を起こす男の息子としての誇り、そして受け継いだ技術と知識でそれを為せると言う確信が彼にはあった。
事ここに居たり、サンジェルマンは颯人の説得が不可能である事を悟らざるを得なかった。自分がそうであるように、彼もまた強い信念を持っている。それは余人の言葉で簡単に動かせるものではない。
サンジェルマンは心底残念そうに息を吐いた。
「ふぅ……そう、残念ね」
「悪いね、折角のお誘いを蹴っちゃって。でも俺、奏と一緒に居られる今で十分満足してるからさ」
「いえ、いいわ。今回は諦める事にするから」
「今回は……って事は、完全に諦めた訳じゃないって事?」
「そうね。また今度、君が首を縦に振ってくれるような――――」
これ以上の説得は無理と判断し
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