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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第158話:君が欲しくて
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ンジェルマンは気合を入れ直す様に身形を整え直すと一歩彼に近付き右手を差し出した。差し出されたその手の意味が分からず、颯人は手と彼女の顔を交互に見た。
僅かに警戒を見せた颯人に、サンジェルマンは単刀直入に用件を口にする。その要件は彼にとっても些か予想外のものであった。
「単刀直入に言うわ。明星 颯人君……君を我がパヴァリア光明結社の一員に迎え入れたいの」
「はぁ?」
「どうかしら? 来てくれるのなら、それなりの高待遇を約束するわよ」
この要件は流石の彼も予想外だった。そもそもの話ウィズとアルドの話から、魔法使いと錬金術師は昔から不仲だったと聞いていた。それなのに生粋の魔法使いである自分を、錬金術師の組織である結社に勧誘する意図が理解できなかった。
当然颯人はその手を取ることなく、その真意を問い質そうとした。
「どういう意味だ? 確か魔法使いと錬金術師は昔っから仲悪かった筈だぞ? それなのに俺を勧誘? しかも高待遇? それをいきなり信じろってのは難しい話だって、言われなくても分かるよな?」
「そうね……確かにその通りだわ。でも寧ろ安心したわ。一見軽薄そうに見えて、その裏で考えを巡らせる事の出来る思慮深さ。君は間違いなくあの2人の息子ね」
サンジェルマンの発言に颯人は片眉をピクリと動かすが、それ以上の大きなリアクションは見せず努めて冷静に話しを進めた。
「父さんと母さんの事はどうでもいい。それより、これはお宅らの組織の総意か? それともアンタの独断か? 事と次第によっちゃ、アンタもただでは済まないと思うが?」
そう問いかければサンジェルマンは何処か言い辛そうに言葉を詰まらせた。その反応だけで颯人は、この話が結社全体の決定ではなくサンジェルマンの独断だと言う事に気付く。彼女は後々罰せられる事を覚悟の上で、颯人を結社に勧誘しようとしているのだ。
「……局長からは許可を得ていないわ。君の言う通り、これは私の独断。でも必要な事だと思ってる」
「どうして?」
「錬金術師と魔法使い……新たな世界を作り出す為には、この両者が過去の因縁を断ち手を取り合うべきだと考えているからよ」
その為には颯人の存在が必要なのだと、サンジェルマンは静かに、だが力強く説いた。そこに嘘は感じられない。どうやらサンジェルマンは本気で颯人を結社に勧誘しているらしかった。その結果、自分の立場が悪くなろうとも…………
大きな覚悟をして自分を勧誘しようとしているサンジェルマンの言葉に対し、颯人は直ぐに答えると言う事をしなかった。それは迷っているからではない。答えは彼の中でとっくに決まっているが、ここで即答せずに少し考えているような素振りを見せているのだ。あたかも迷っているかのように見せかける為に。
「仮に、俺がアンタら
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