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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第158話:君が欲しくて
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ていなかった。
邪魔が入らないようにと準備を整えたサンジェルマンは、その場から飛び降り颯人の傍へと降り立った。突然その場を動いた彼女に、カリオストロ達も一瞬呆気にとられる。
「え、ちょっ!? サンジェルマン!?」
「何を!?」
2人が止める間もなく颯人の傍へと降り立ったサンジェルマンは、彼の背に向けて声を掛けた。
「久し振りね」
「うぉっ!? あっ! アンタは……」
突然背後から声を掛けられた事に、颯人は一瞬飛び跳ねるように驚き後ろを振り返った。そこに居たサンジェルマンの姿に彼は僅かに目を見開き、そしてこの事を即座に弦十郎に知らせようと通信機に手を伸ばした。
だが前述の通り彼とサンジェルマンを囲むように通信妨害用の結界が張られている。故に颯人の通信機は無意味な雑音だけを彼の耳に届けていた。
「あ……?」
「悪いけど、邪魔が入ってほしくないから通信は妨害させてもらったわ」
外部との通信が阻害された事を知り、颯人は溜め息を吐いて天を仰ぎ見る。見上げれば日が沈んできた事で空の色が赤から群青へとグラデーションが掛かっている。それを一瞥して気持ちを落ち着けると、手を振って透を遠ざけた。
「透、悪いが離れててくれ。どうやらこの人は俺に用事があるらしい」
「ッ!?」
この状況で1人になるなど危険すぎると、透は彼に抗議しようとした。そもそも今回奏達が亜空間に引き摺り込まれたのだって間違いなく彼女達が原因なのだ。何を企んでいるか分からない相手に、1人で相対するなど何をされるか分かったものではない。
だが颯人は考えを曲げる気はなかった。人を見る目に関して、颯人は絶対の自信を持っている。その自信が、サンジェルマンは争う気は無いと言う事を教えてくれていた。ならば、ここは相手を迂闊に刺激しない事が第一。颯人は敢えて自分から無防備な姿を可能な限り晒す事で、無用な争いを起こさないようにしていたのだ。
それに、言ってはあれだが打算もある。ここでサンジェルマンと話し合う事で、もしかすると奏達を亜空間から出してもらえるかもしれない。仮に彼女が亜空間を消してくれなかったとしても、何らかのヒントは引き摺り出そうと考えていた。
「とりあえず……本当に久し振りだな。思い出したよ、アンタと最初に会った時の事」
「覚えててくれたのね。まだ君が子供の頃の事だったのに」
「ついこの間まで忘れてたがね。それで? 俺に話って?」
物騒な内容ではないだろう事は予想出来たが、その代わり彼女が何を求めているのかが全く分からない。自分と彼女の?がりは、子供の頃の1回の邂逅だけ。それ以上もそれ以下もない。そんな彼女が、一体何を求めて自分に接触してきたのかが颯人には分からなかった。
探る様に颯人が問い掛けると、サ
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