第百四話 八月の終わりその六
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「あんたがやんちゃをしてると思うならね」
「それじゃあね」
「純文学だって耽美とかあるしね」
「あんたそうした作品も読んでるのね」
「谷崎潤一郎とか永井荷風とかね」
「永井荷風も読んでるの」
「あと泉鏡花もそっち?」
耽美になるというのだ。
「そういうのも読んで」
「そうしてなの」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「純文学でも色々あるしね」
「耽美もあって」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「そうしたものを読んでも」
「やんちゃなの」
「だからね」
それでというのだ。
「普通、しかもそうしたらいいってね」
「言われてるものの中でもってことね」
「色々なジャンルがあって」
「読めるからなのね」
「いいでしょ、お母さんもそう思うでしょ」
「そう言われるとね。お母さん三島由紀夫結構読んだけれど」
母も純文学の話をした。
「あの人の作品も結構ね」
「耽美だったりするわね」
「そうだったしね」
「真面目って言われる中のやんちゃもね」
「あるわね」
母もそれはと答えた。
「そういうことね、それじゃあね」
「私はこのままね」
「やんちゃでいくのね」
「そうするわ、それでね」
こうもだ、咲は言った。
「今はね」
「お勉強して」
「大学に行って」
「就職して結婚するのね」
「そうなる様にするわ」
「わかったわ、ただ大学何処に行くの?」
母は咲にこのことを尋ねた、一口に大学と言っても非常に数多くの大学が存在しているからである。
「一体」
「ううん、八条学園だし」
通っている高校はとだ、咲は答えた。
「だからね」
「八条大学?」
「そっちに行こうかしら」
「お父さんとお母さんの大学じゃない」
出身のとだ、母は答えた。
「それじゃあ」
「そうなのよね」
「あんたもあそこ行くのね」
「神戸のね」
「東京離れるのね」
「駄目かな」
「いいんじゃない?」
あっさりとした返事だった。
「そうしても」
「いいの」
「あそこはいい大学だし」
卒業生としての言葉だった。
「それに親元を離れてっていうこともね」
「いいの」
「ええ、それもね」
そうすることもというのだ。
「いいわよ」
「そうなのね」
「だからね」
母はさらに言った。
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