狩猟豹の頭
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ん、お前」
ただ、それを阻止しようと動いたのはバッカスさんだった。彼もシルフェの攻撃の巻き沿いを食らった際に自身の酒瓶を取ることに成功したらしく、先程よりも動きが不規則で次が予測できない。
「おおら!!」
「くっ」
それに反応しきれず拳を受けたシルフェは手を付く。そのおかげでわずかな時間ではあるが彼のカウントを止めることができた。
「お前には用はない」
「あん?」
すぐに立ち上がると思われたシルフェ。しかし彼はなぜかなかなか立ち上がらない。そのためカウントが一向に減らないが、彼には焦りは一切見られなかった。
「消えろ」
素早く手を動かし魔法陣を書き上げたシルフェ。すると彼の脚に風が纏わりつき、それをバッカスさんの腹部目掛けて放つ。
「見えてーーー」
しかしバッカスさんの動きは早い。すぐさま対応してそれを受け止めようとした。だが、それ以上に彼の蹴りが早く、バッカスさんの腹部に突き刺さる。
「ごはっ」
口から血を吐き出し倒れ込むバッカスさん。しかし彼のすぐ後ろから今度は長身を生かしたリーチのある青年が飛びかかる。
「そこ!!」
全体重を乗せた攻撃を放った直後に正面から突っ込まれたことでタクトさんの拳は見事に決まった。ただ、タイミングを合わせるためか魔法を使っていなかったため、決定打にはなりえない。
「炎竜王の・・・」
「!!」
しかしそれで十分だった。後ろから襲いかかるのは炎の竜。彼は全身ボロボロの状態にも関わらず、自身の全力を打ち出すべく渾身の一撃を放とうと飛びかかる。
「崩拳!!」
真上から振り下ろされる拳。完全に攻撃の対象にされているシルフェはそれに気が付き振り向いた。
「?」
食らえばひとたまりもないほどの威力が込められているのが遠目から見てもわかる。それを目の前で見ている彼もわかっているはずなのに、彼の口元は緩んでいた。
「見えるな、限界が」
ボソリと何かを呟いた彼は向かってくるナツさんにあろうことか自身も飛びかかる。しかし先に動き出していたナツさんの方が有利なはず。これは判断ミスだとその場にいた全員が思ったことだろう。
「翠緑迅」
誰にも聞こえないほどの小さな声。いや、聞かれないようにしているのかと思われるそれで何かを呟いた直後、両手の人差し指と中指を立て、それを重ね合わせてナツさんへと向ける。
「!!」
ナツさんの拳がシルフェの頬を捉える直前、強烈な爆発音と突風が彼を包み込んだ。
「なっ・・・」
「ナツ!!」
身を乗り出し彼の名前を叫ぶルーシィさん。煙が晴れて姿を見せた二人は互いに膝をついていた。
「お前・・・やっぱり・・・」
「悪いな・・・」
双
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