狩猟豹の頭
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「でも、仕方ないよ」
「そうね。タクトなら間違いないわ」
「愛のある戦いを期待してますわ」
『青い天馬からはタクト!!』
これまたエース格の登場に沸き上がっていた会場が一転、ざわつきへと変化する。出場回数に制限がある今回、それなのにどこも惜しげもなく戦力を投下してくるということがどれだけこの初戦が大事なのかを物語っていた。
「それなら俺が・・・」
「待って」
ここまで戦力が出てくるとうちも誰を出すか迷ってしまうが、ここは俺が出た方がいいと思い手を挙げようとしたが、ミラさんに制止される。
「私が出るわ」
「え?」
「ミラさんが?」
まさかのミラさんが自分から名乗りを上げたことに驚きを隠せない。そんな俺たちの様子を見て、彼女は続ける。
「出られる回数に限りがあるから、シリルをこんなに早く出すのは勿体ないわ。それに・・・」
「それに?」
普段からは想像もできないほどの真剣な表情。しかし、その直後に見せた彼女の表情は真逆だった。
「私、こう見えて元S級魔導士だから」
まるで少女のような可憐な笑みでいたずらっぽくそう言った彼女に顔が熱くなる。それは俺だけではないようで、ルーシィさんとジュビアさんも赤くなっていた。
「・・・シリル、あとでお説教ね」
「えぇ!?」
しかし後ろからの死刑宣告にその感情は消し飛んでしまった。ウェンディ俺に対して厳しすぎない!?あと顔がめっちゃ怖いんですけど!?
『フェアリーガールズからはミラ!!』
「いや呼び方!?」
妖精の尻尾が二チーム出てるからということなんだろうけど、その呼ばれ方は勘弁してほしい。主に俺が参加する時だけど。
「わぁ!!ミラさん出るならソフィアも出る!!」
「いいのか?一人しかいないぞ?」
「いい!!誰も出ない競技に出るよりいい!!」
『人魚の踵からはソフィア!!』
ミラさんが出てきたことで手を挙げたのはソフィア。どう見ても下心しかなさそうな彼女だけど、うちのチームがある限り女性が誰も出ない競技はないんだよなぁ、いや俺が出た場合はその限りではないけど。
「こりゃあ純粋なバトル競技になっちまうか?」
「そう記憶しておいた方がいいかもしれないね」
いまだに選出ができていない剣咬の虎。グラシアンさんとルーファスさんはそんな話をしていたけど、その考えを否定するものがいた。
「いや、この競技なら俺がいい」
そう言ったのはローグさん。普段自分から名乗りを挙げることがない彼がそんなことを言い出したことで剣咬の虎の皆さんは顔を見合せた後、その理由を問いかけていた。
「何か策があるのか?」
「策とい
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