狩猟豹の頭
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「どうします?」
「そうね」
「うーん」
早速この競技への参加者を決めるためにと集まった俺たちだったけど、誰が出るか頭を悩ませる。それには大きな理由があった。
「前回の参加者が決まってからルールを説明されるのもあれですけど・・・」
「ルールがわかるとそれはそれで難しいですね」
競技名から出場する人を決めた前回とは異なり、今回はすでにルールがわかっているため選出は楽かと思ったけど、条件はどこも同じ。そうなるとどのチームももっともこの競技に最適だと思われる人が出てくるのが予想されるため、下手な人選をすると最下位スタートなんてことになりかねない。
「さて、誰が出るのが適任だと思う?」
俺たちの隣ではエルザさんたちも同様に悩んでいた・・・と思ったんだけど、それはたった一人の言葉で消し去られる。
「俺だ!!俺に行かせろ!!」
そう言って名乗りを上げているのはナツさん。彼の性格からしてこう言うのはいつものことだが、今回に関しては状況が違う。
「ナツならいいかもしれねぇな」
「あぁ。根性だけは一丁前だしな」
「根性だけだと!?」
「やんのかコラ!!」
競技前なのに掴みあっているナツさんとガジルさんをエルザさんが引き離す。確かに今回の生存ならナツさんは適任なのかもしれない。バトルという面から見ても、耐久力という面から見ても。
「よし、任せるぞ、ナツ」
「おう。任せておけって」
『妖精の尻尾からナツ!!』
ナツさんの名前がコールされた途端、会場が熱気に包まれる。イシュガルでもっとも有名な滅竜魔導士と呼ばれているくらいだし、知らない人はいない彼が参加するとなれば沸くのも当然か。
「ヒック。一番最初に名乗り出てやろうと思ってたのに、先を越されちまったぜ」
その直後、予想外の人物が前に出てきて俺たちは目を見開いた。瓢箪を片手に顔を赤くしながら、フラフラとした足取りで前へと出てくるのは猟犬が誇る絶対的なエース。
『バッカスです!!四つ首の猟犬からはバッカス!!』
初手からエースを投入してきた猟犬に会場はさらに沸き上がる。そしてこれにはまだ選手を決めれていないチームは焦りを感じていた。
「ナツとバッカスか」
「いきなり飛ばすね」
「これは様子見とはいかなくなったかもね」
青い天馬のレンさんたちも誰が出るのか決めかねている様子。無理もない、この二人じゃ下手な人選をすると序盤で勝負が決まりかねないのだから。
「俺が行きます」
顔を見合わせどうするか話し合っている天馬。そんな中手を上げたのは飛び抜けて背の高い青年だった。
「いきなりお前を出すのか」
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