第五十一話
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第五十一話 決闘の場所は
小田切君は博士に決闘のことで尋ね忘れていたことを思い出してそのうえで博士に対して尋ねた。その尋ねることはというと。
「決闘の場所何処ですか?」
「今田先生と今日子先生それにカーミラ嬢じゃな」
「二組になりますが」
「同じ日で時間差になるが」
博士はこう前置きして小田切君に話した。
「大阪城じゃ」
「あちらですか」
「あの天守閣の前でな」
大阪城のというのだ。
「そうすることになっておる」
「神戸じゃないんですね」
自分達が住んでいるこの街ではとだ、小田切君はまた尋ねた。
「そうなんですね」
「この街特に先生達がおる八条町でもよかったが」
「それでもですか」
「やはりこの辺りで決闘つまり戦いじゃな」
「その場所となると」
「一番はな」
何といってもというのだ。
「大阪城だと思ってな」
「それで、ですか」
「あの場所にしてな」
そう決めてというのだ。
「それでじゃ」
「今田先生と今日子先生にですね」
「カーミラ嬢にな」
それぞれというのだ。
「手紙で場所のことも話したが」
「そうしたらですか」
「それでじゃ」
まさにというのだ。
「返事はよしでは」
「今田先生達もカーミラ嬢も」
「それでじゃ」
「大阪城の天守閣の前で、ですか」
「戦って来る」
「わかりました、じゃあそれで」
小田切君も納得して応えた。
「楽しんで下さい」
「それではな、まあ大阪城といってもな」
博士は笑って話した。
「豊臣秀吉さんのものではないからのう」
「今の天守閣三代目ですからね」
「築城されたのは徳川幕府の頃であるしな」
豊臣秀吉が築いたものは大坂の陣で焼け落ちている。
「城自体も」
「それを言ったらちょっと」
小田切君は博士に話した、その大阪城のことを。
第五十一話 完
2023・4・7
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