第二十二話 姉妹その十七
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「有り難う」
「そう言ってくれるなら」
火煉も言葉はなかった。
「それならね」
「そういうことでね」
「あの、それでなのですが」
小鳥は時鼓に問うた。
「どうしてこちらに」
「果たす時とは何でしょうか」
封真も時鼓に問うた。
「一体」
「そのお話をするわ、社の中でいいかしら」
「ええ、いいですが」
封真がまた応えた。
「それでは今から」
「そこに皆で入って」
そしてというのだ。
「そのうえでね」
「お話してくれますか」
「そうさせてもらうわ」
こう話してだった。
時鼓は封真に開けてもらった境内の前に立った。そしてそのうえで今度はこんなことを言ったのだった。
「神威、貴方にはね」
「俺にか」
「特に縁のあることよ」
「そういえば」
神威は時鼓の顔を見て言った。
「母さんに似ている」
「気付いたわね」
「眼鏡をかけているのでこれまではわからなかったが」
それでもというのだ。
「よく見れば」
「そうよ、私は貴方の叔母にあたるのよ」
「叔母?まさか」
「貴方のお母さんは私の姉さんなのよ」
「そうだったのか」
「えっ、どういうことですか?」
時鼓の今の話に誰もが驚いた、その中で護刃が声をあげた。
「一体」
「そのお話もね」
「これからですか」
「お話させてもらうわ」
「そうですか」
「長いお話になるでしょうし」
「そうでっか」
今度は空汰が応えた。
「随分大事なお話やとはです」
「わかっていたわね」
「おひいさんの態度から」
そこからというのだ。
「ほんまに」
「そうね、ではね」
「これからでっか」
「お話させてもらうわ」
「ほな」
「ええ、それとね」
時鼓は一旦家の中に戻ろうとした小鳥に言った、彼女の動きを見逃さずそのうえでそうしたのである。
「お茶はいいわ」
「ですが」
「お菓子もね。ただね」
「お話させてもらうだけですか」
「身体は清めてきて」
小鳥に微笑んで話した。
「身体は全て清らかにしたから」
「だからですか」
「お茶もお菓子もね」
そういったものはというのだ。
「いいわ」
「そうですか」
「そのうえでね」
「お話をされますか」
「貴女とお兄さんにも大事なお話よ」
「私達にもですか」
「まさか」
ここで封真ははっとした顔になって言った。
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