意味がわからない。
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お前は」
そりゃ、この環境の中で満足な挨拶ができれば苦労はしないと思う。
「いや、千冬姉、俺は―――」
千冬さん―――織斑先生は出席簿で彼の頭を叩く。
「織斑先生と呼べ」
「……はい、織斑先生」
そのやり取りに反応したのか、周りの女生徒が反応する。
「え……? 織斑くんって、あの千冬様の弟……?」
「それじゃあ、世界で“唯一”男でISを使えるっていうのも、それが関係して……」
「ああっ、いいなぁっ。代わってほしいなぁっ」
名前からして予想が付くだろうに。
だがここで思い出してもらいたい。今どの女か知らないが、織斑一夏を『世界で唯一ISを使える男』認識している。そしてそれには訳がある。
「さあ、SHRは終わりだ―――と言いたいところだが、実は諸君らに伝えるべきことがある。以前の男性だけのIS適性試験で新たに別の男性操縦者が発見された」
途端に周りが驚愕するので俺も乗る。
「静かにしろ。ちなみにだが、その男は今もなお、この教室で席に着いている」
まるであらかじめ確認していたかのように辺りを見回すが、なぜか誰も俺を見つけなかった。
「……もういいだろ。風宮、自己紹介しろ」
「もういいだろって、これはあなたと山田先生が指示したんでしょうが」
言いながら俺は立ち上がり、服を脱いで男モノに変える。
「改めまして、風宮祐人です。趣味などは特にありませんが、特技は逃げ足です。ただ事故でISを動かし、ここに入学することになりました。よろしくお願いします。そして付け足しますが、女装は趣味ではありませんので、あしからず」
すると、前にいる男が同情の視線を向けてきた。
「ではSHRを終わる。諸君らにはこれからISの基礎知識を半月で覚えてもらう。その後実習だが、基本動作は半月で体に染み込ませろ。いいか、いいなら返事しろ。よくなくても返事をしろ、私の言葉には返事をしろ」
鬼教官ぶりを発揮させられるが、俺は、
(……整備室を使用するのに女装って、どうなの?)
なぜかそのところが疑問になっていた。
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