大魔闘演武開幕戦
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ものも視線を交わらせ笑みを浮かべていた。
「ぷぷっ」
すると、一人の嫌な視線に気がつく。その主はグラシアンさんなのだが、彼は俺の顔を見るや否やわざとらしく含み笑いを見せていた。
「なんですか?」
「これはこれは。いつの間にか女の子になったシリルちゃんじゃないですか」
「ぶっ殺す!!」
「シリル!!ダメ!!」
明らかな挑発に殴りかかろうとしたがウェンディに止められてしまう。しかも彼の隣にいるローグさんがこちらを極力見ないようにしているのがなお腹立だしい。
『続いてはこのギルド!!爆発力なら他にひけを取らない優勝候補の一角!!蛇姫の鱗!!』
冷静沈着な表情で先頭を歩いてくるリオンさん。その後ろから姿を現したレオン、シェリア、サクラの三人は彼とは真逆に歓声に答えながら入場してくる。トビーさんも彼ら同様の反応を見せているが、ユウカさんだけは気恥ずかしそうに軽く手を振る程度に留まっていた。
「なんだか盛り上がってるね、ウェンディ」
「あはは。そうだね」
睨み合っている俺とグラシアンさんを止めているウェンディに対して能天気なのか、シェリアはそんなことを言っている。一緒に止めてほしいと考えているウェンディは乾いた笑いを見せていたが、彼女にそれは届いていないようだ。
「師匠!!お久しぶりです!!」
「サクラ、元気そうだね」
満面の笑みで近付いてきたのはサクラ。少し見ないうちに背が伸びているようで、ちょっと身長差が縮まっていることに顔がひきつるが、彼女はそんなことお構い無しだった。
「この大会で師匠と戦えると思うと楽しみなんです!!」
「そっか。戦えるといいね」
気合い十分なサクラだけど、大魔闘演武は運に影響されるところがあるから戦えるかは未知数なんだよね。それでもこうやって言ってくれるところか彼女の可愛いところだったりする。
「私が勝ったらリボンで装飾してソフィアさんにプレゼントしますね!!」
「うん。もう戦いたくなくなったかな」
しれっととんでもないことを言ってのけたサクラから思わず距離を取る。ハロウィンの時といいこいつはなんてことを言い出すんだろう、恐怖で顔を直視できない。
「・・・」
そんな俺たちのやり取りを離れたところで見ていたのはレオン。なぜか近付いてすら来ない彼に疑問を感じたのでそれを投げ掛けてみる。
「どうしたの?レオン」
何ゆえに距離を置いているのかわからなかったが、彼はわずかに口角を上げたかと思うと、一言だけ告げてきた。
「俺たちなら、言葉を交わす必要もないだろ」
昨日もさんざん話したからなのか、はたまたすぐにでも戦えるからと言うことだからなのかはわからない。しかし、彼の真意はわからないけど言いたいことは
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