大魔闘演武開幕戦
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の手を握り締めるウェンディ。よほど不安なのか、握る手に入っている力が普段よりも強く感じる。
『会場の皆さんも待ちきれないようなので、早速今大会を盛り上げてくれる選手の皆さんに入場していただきましょう!!』
一通りの質問コーナーが終わったようでいよいよ俺たちの出番になる。俺とウェンディは手を繋いだまま視線を合わせ、頷いてみせる。
『まずは皆さんご存知このギルド!!フィオーレ最強の呼び声高い名前に反した荒くれ軍団!!妖精の尻尾!!』
まず入場しているのは俺たちとは別チームであるナツさんたちのチーム。でもやっぱりガジルさんがあっちで俺がBチームにいるのは納得できない。
『続きまして!!』
その声と共に俺たちの目の前の扉が開かれる。一つ息を吐いて気合いをいれると、俺たちはその扉から会場へと踏み出す。
『これぞ妖精!!美しく可憐な女性陣で構成された妖精の尻尾ガールズチーム!!』
「何!?」
入場した瞬間の紹介に思わず声が出た。会場を埋め尽くしている観客たちを見ると、俺たちを見て歓声を上げている中でも特に男どもの声が異様に大きい。その声に背筋が凍ったのは言うまでもない。
「このチーム分けってそういうことだったのね」
「華やかさを求めてきたわけね」
「ジュビア・・・すごく恥ずかしい・・・」
「こ・・・これはさすがに・・・」
予想外のチーム分けに全員の表情が固くなってしまう。ただ、この人たちはそれで済むかもしれない。しかし俺にとってこれは許しがたい事態だ。
「俺はおとーーー」
「シリル、今はやめておこう」
ぶちギレて叫ぼうとしたところ、ウェンディに口を塞がれてしまう。会場が盛り上がっているからということで今回は水を差さない方がいいとの判断らしいけど・・・納得できない。
「それならエルザさんでよかったんじゃ・・・」
エルザさんと俺を入れ替えておけば文句なくガールズチームが出来上がっていたはずなのに、それをしなかった運営に悪意を感じずにはいられない。誰だこれ考えた奴、見つけたら絶対ぶん殴ってやる・・・!!
『続きましてこちらは元王者!!あらゆる相手に襲いかかる虎!!剣咬の虎!!』
納得できないながらも今はこの入場が終わるのを待つしかない。次に入場してきたのは剣咬の虎。こちらはミネルバさん、ユキノさん、オルガさんルーファスさん、ローグさん、グラシアンさんの六人となっている。
「久しぶりだな、ミネルバ」
「あぁ。この時を楽しみにしていたぞ、エルザ」
入場してすぐさま互いを意識し合っているエルザさんとミネルバさん。離れたところではラクサスさんとオルガさんも、言葉こそ交わしていない
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