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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)
親と子は別人
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嬉しさのあまり、大声で答えアルルを見つめる。

「お爺ちゃん…彼はね、こう見えても勇者様なのよ。…此処とは別の世界の魔王を倒した、偉大なる勇者様なんだから!私達、そう言う意味でも凄く共感出来る間柄なのよ」
「そ、そうじゃったのか…道理で好青年なわけじゃ…」
実は彼も勇者である…そう聞いた途端、先程まで身分で嫌悪していた事を忘れたかの様に、好意を向けるアルルの祖父。
その瞬間、リュカの顔に嫌悪が篭もった…しかし、それに気付いたのは妻だけだったが…

「それにね、彼は元の国へ戻れば王じ…ムグッ!」
アルルが彼氏自慢を続けようとした瞬間、素早く彼女の口を手で塞ぎ、怒りの表情のままアルルの祖父に詰め寄るリュカ。
「そんな事より爺!お前、僕の息子に詫び入れろ!そこら辺のアホ貴族以下と言った事に詫び入れろ、コラ!」

「うぐっ…す、すまんかった…少しばかり調子に乗っていた様じゃった…」
「それが詫びの入れ方か!?指詰めろコノヤロー!」
「ゆ、指!?つ、詰めるってどういう事じゃ?」
リュカの突飛な言葉に、一同全く理解出来ない。

「お、お爺さん…父の言う事は気にしないで良いですから」
ティミーはそう言いながら、リュカをアルルの祖父から遠ざける。
尚も暴れながら怒りを撒き散らすリュカ…
しかし口を塞いだアルルの耳元へ顔を近付け、彼女の祖父には聞こえない様に呟いた。
「アルル…我が家の家柄の事は、公にしないでくれ。申し訳ないが、あの老人は権威に弱すぎる…ティミーが王子である事を知らせても、碌な事にはならないだろうから」
そこまで言うとリュカはアルルから手を離し、怒りながら一旦外へと出て行った。

「お、お爺ちゃん…あの人は、ああ見えても息子思いなの。外で頭を冷やせば元に戻ると思うから、もう喧嘩をしないでね。この場に居る全員でかかっても、彼一人には勝てないから…怒らせないでね!」
そう言ってアルルはビクつく祖父を脅かし、これ以上話がややこしくなるのを避ける。
老人もリュカの怒りが恐ろしく、黙ってアルルの言葉に頷くのである。




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