親と子は別人
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じゃ!親が愚かなら、息子も愚か!親が偉大なら子も偉大なんじゃ!!」
「最低ね………それじゃ言わせてもらうけど、お爺ちゃんはお祖母ちゃんの他に女が居たの?お父さん以外の子供を、余所で造ったりしたの?」
「な、何じゃいきなり…ワシはそんな節操ない事などせん!死んだ婆さん一筋じゃ!」
「じゃぁ何でアンタの息子は、余所で子供を造ってんのよ!ムオルって村に私そっくりの弟が居たわよ!その子の母親にも確認したんだからね…アリアハンのオルテガとの間に生まれた子だって!」
売り言葉に買い言葉とは、まさにこの事だろう。
本当はポポタの事を言うつもりはなかった…
しかし大切な彼氏を侮辱され、引く事の出来なくなったアルルは、思わず暴露してしまった。
「な……何じゃと……!?」
「お祖母ちゃんへの想いを一途に突き通した男の息子は、世界を救うと旅立ちながら、各所で愛人を作り子孫繁栄を頑張っておりますわよ!…親が偉大だと息子も偉大ねぇ!」
茨の鞭より刺々しいアルルの言葉に、祖父も言葉を失ってしまう。
怒り心頭のリュカとアルルに睨まれて、顔を上げる事が出来なくなる老人…
視界の隅に、緊張した面持ちで彼等のやり取りを見つめている孫娘の彼氏が映った。
「………若いの…貴様は、本気でワシの孫娘を愛しておるのか?数居る恋人の1人とかでは無いのだろうな?」
「本気です!僕はアルルが大好きなんです!…それに僕には他の恋人などは居りません。僕は父の女癖の悪さが大嫌いでした。僕の中にも女癖の悪い男の血が混じっていると思い、女性との間に距離をおいて生きてきました。その為、女性の事…女心と言う物を、理解出来ずにいました」
ティミーは緊張しながらも、真面目な表情でアルルの祖父に対峙する。
そしてウルフの手を掴み、手繰り寄せて話を続ける…
「彼は僕の義弟です。見ての通り僕よりも年下ですが、僕なんかより遙かに女性の扱いに長けてます。恥ずかしい話ですが、僕は何度も彼に恋愛のアドバイスを請いました。年下で、義理の弟になる彼にです…そんな僕に、恋人が複数居るとお思いですか?好意を持たれてたかすら分からない男に、愛人が居ると思うのですか!?」
ティミーにとって、最早恥も外聞も無いのだ…
アルルとの仲を認めてもらう…
それが叶うのであれば、プライドなどはかなぐり捨てる。
「そうか………」
ティミーの心が伝わったのか…それともリュカの怒りに怯んだのか…
アルルの祖父は、ソッと目を閉じると溜息を吐き、幾ばくか思い悩んで目を開く。
「若いの…ワシの大切な孫娘を幸せにしてくれ。この子には幼い頃から苦労をさせ続けたのだ…勇者の娘になどに生まれてしまったからのぉ………」
アルルの祖父は優しくティミーの肩に手を置き、溜息を吐く様に囁いた。
「は、はい!!」
ティミーは
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