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仮面ライダーAP
陰謀編 穢れた正義と堕ちた英雄 第3話
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 ――仮面ライダータキオンの従兄は、日本政府の諜報機関で活動していた元捜査官だと聞いたことがある。その人物がタキオンに直接、ノバシェード関連の情報を提供することも少なくないらしい。

(仮面ライダーを陰ながら助けている元捜査官……か。ふふっ、どこか他人事には思えない話ね)

 「家族仲が良いのは結構だが、公的手続きを介さない情報のやり取りは慎んで欲しいものだ」……という上司の愚痴は対策室に居た頃、何度も聞かされた覚えがある。恐らくこの件も、その従兄の情報がきっかけだったのだろう。

『……フンッ!』
『ぐッ!? がッ……!』

 超加速機能「CLOCK(クロック) UP(アップ)」を駆使しているタキオンの動きは鮮やかだ。一瞬のうちに戦闘員の背後に回り込むと、痛みを感じさせる暇も与えないまま頭を掴み、首をへし折って即死させている。

『……先に地獄で待っていろ』

 ある意味、慈悲のある「処刑」と言えるだろう。死に行く戦闘員を見下ろすタキオンの仕草は、どこか哀愁を感じさせるものがあった。

『せっかくの長物も、この狭い通路では使いづらいようだな! 覚悟しろ仮面ライダーッ!』
『くそっ、こんな奴らにッ……!』

 一方、エンジンブレードを振りづらい狭いエリアでの戦いには慣れていないのか、オルバスの方は少しばかり手を焼いているようだった。
 並外れたタフネスを誇る、耐久性特化型戦闘員との戦いは初めてなのだろう。最後の生き残りを相手にしている彼の動きには、普段の冴えが無い。

『こうなったらッ!』
『……! ウェルフリット、待て!』

 その焦りが、「判断ミス」を招いたのか。オルバスは「必殺技」に相当する最大稼働スキル「FIFTYΦ(フィフティーファイ)ブレイク」を発動させると、前蹴り(ケンカキック)の要領で片脚を振り、戦闘員の胴体に命中させてしまう。

『喰らえッ……!』
『ぐッ……はぁあぁあーッ!?』

 オルバスに蹴られた戦闘員の身体が吹っ飛び、地を転がった彼のボディが白熱化して行く。爆発の前兆だ。耐久性特化型戦闘員は、胴体部分に限界以上の衝撃を受けると、自爆機能が作動してしまうのだ。

『いかん……!』

 しかし、ここは危険物が満載の火気厳禁エリア。この場で戦闘員が爆散すれば、どれほどの被害が出るか分からない。その危険な兆候を察知した瞬間、タキオンが動き出す。

『……クロックアップ!』
CLOCK(クロック) UP(アップ)!』

 刹那の時を駆け抜ける、クロックアップ機能。そのポテンシャルが全開になった瞬間、それを報せる電子音声が鳴り響く。
 次の瞬間、オルバスからエンジンブレードを奪い取ったタキオンは、戦闘員の背後にある壁を一気に切り裂いていた。円形に切り抜か
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