クリスマスイブストーリーA
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ているのだが、ふいに木下さんに服の背中部分を掴まれた。
「? 木下さん?」
「……」
木下さんは若干顔が赤いような気もする。顔が寒いのかな?
「あ、あの……沢田君」
「うん?」
「……その」
な、なんだ? 木下さんの顔がさらに赤くなってきてるぞ?
い、一体何を言われるの!?
どうしよう、変なことだったらまた電流を受ける事になりかねないぞ。
「さ、沢田君の……」
「……俺の?」
「……沢田君の事、名前で呼んでも、いい?」
「!」
なんだ、呼び方を変えたいって話だったのかぁ〜。
何を言われるのかってドギマギしちゃったよ。
「全然構わないよ」
「! 本当?」
「うん。あ、もしよかったら俺も名前で呼んでも良い?」
「ええっ!? う、うん。じゃあお互い名前呼びって事で!」
木下さん……改め美野里ちゃんは笑顔で嬉しそうにしている。
名前呼び一つでこんなに仲良くなれるものなのか。だったら獄寺君も今度あった時に隼人って呼んで……いや、やめとこう。
美野里ちゃんが笑顔のまま、メリーゴーランドは一周し終えた。
馬の乗り物から降りると、真っ先に鈴音さんの元へと駆け寄っていった。
「堀北さん、私」
「ほら、案外簡単だったでしょう?」
「うん!」
嬉しそうにしている美野里ちゃんに、鈴音さんは優しく微笑んでいた。
(よしよし、良い感じに美野里ちゃん達とクラスメイト達の距離が縮まっているな。結局メリーゴーランドでは電流を受けることもなかったし、よかったよかった)
今日の集まりを企画した甲斐があったなぁと感じていた俺だったが、この後にちょっと面倒な事態が起こる事になるとは……。
その面倒な事態とは、次のアトラクションに向かう途中で起こった。
最初に気づいたのは、波瑠加ちゃんと愛里ちゃんだ。
「メリーゴーランド乗ったの久しぶりだよ」
「私もだ〜。次は何のアトラクションに乗ろ……ん?」
「波瑠加ちゃんどうしたの?」
「……何だろうあれ。カンガルー?」
そう言って波瑠加ちゃんが指差した先に見えるのは、カンガルーらしき生き物と、1人の短髪の男性だった。
(このランドにはカンガルーがいるのか? ……というか、あの短髪の男性、どこかで見たことがある気が……え? まさか?)
「がうっ!」
「あ、ナッ
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