第二章
[8]前話
「けれど性病と違って」
「なる人が多いんだ」
「もうすぐにだよ」
それこそというのだった。
「この二つはなって」
「自衛官の人には多いんだ」
「旧日本軍からで」
帝国陸海軍だった頃からというのだ。
「他の国でもね」
「多いんだね」
「あまりにも酷いと治療するけれど」
それでもというのだった。
「大抵は薬を使うけれど」
「多いからだね」
「自衛隊の薬局は大変だよ、僕もならない様に気を付けてるよ」
こう言うのだった。
「医者がなったらね」
「洒落になっていないからだね」
「うん、そうしてるよ」
こんなことを言うのだった、そしてだった。
自衛隊の病院基地の傍にあるそこに勤務してだった、その時に病院の中に来たが薬局には水虫やインキンの薬であるタムシチンキが大量にあったが。
瞬く間に隊員達病院に勤務している彼等が買って行って一つもなくなった、愛媛はそれを見て薬局のおばちゃんに言った。
「凄い売れましたね、今日も」
「いや、これを入れますと」
おばちゃんも愛媛に言った。
「もうです」
「飛ぶ様に売れますね」
「さっきみたいにです」
「あっという間に完売しますね」
「はい、それだけですね」
「水虫やインキンの人が多いということですね」
「もうそれはですね」
この二つの病気の患者が多いことはというのだ。
「仕方ないですね」
「はい、自衛隊ですと」
愛媛は苦い顔で話した。
「どうしてもです」
「この二つの病気はついて回りますね」
「そうですね、幾ら注意して欲しいと言っても」
それでもというのだった。
「性病とかは減らせても」
「水虫とインキンはですね」
「多いです、職業病と言えるので」
自衛官のというのだ。
「もうついて回りますね」
「どうしても」
「困ったことです」
薬局の中でぼやくばかりだった、愛媛はこの二つの病気だけはどうにもならないと思うばかりだった。そして薬局で風邪薬を買って帰って家にストックしておいたのだった。
自衛隊医院の苦悩 完
2023・6・22
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