クリスマスイブイブストーリーB
[9/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
頭の中では、誘拐事件の時と綾小路君と一緒にいた時に起きたあの不思議な現象がぐるぐると回っている。
(今までにあんな現象は起きた事がないし、誘拐された事で自分が思ってるよりも心にダメージがきているのかもしれない)
そう思ってベッドで休んでいたが、別に体調不良ではないし、むしろジッとしていると余計に色々と考え込んでしまうものだ。
頭の中にはここ最近の出来事が思い出されていく。
(ペーパーシャッフルで少しは綱吉君のパートナーらしくなれたと思ったけれど、まだまだ全然だったようね)
明らかに何か企んでいた龍園君を見ていたのに、何も対策しないで誘拐までされてしまった。
綱吉君が対策を講じてくれたおかげで怪我人とか病人はでなかったけれど、本当なら私が事前に防いでおけたはずだった。それを自分の怠慢で防げずに直撃を喰らったのだ。
(このままじゃいけない。私は綱吉君のパートナーだもの。もっと綱吉君の力になれるようにしないとダメだわ)
綱吉君に守ってもらうだけじゃなく、一緒に戦えるようにならないといけないのだ。
今回みたいな事件が今後ないとも限らないし、事前に防げるようにならなくては。
そして、もし起きたとしても今度は自分が守る、助ける側に回れるような人物になりたい。
その為に必要なのはもっと高い思考力、そして高い身体能力だろう。
今までも勉学や運動は頑張って来たけれど、これからはもっと努力をしなくては。それも正しい努力を。
ただ兄さんの背中を追いかけて来たこれまでとは違う、正しい努力をね。
「……でも、どうするのが正しいのかしら」
目標が決まっても、そこに至る道筋を知っているわけじゃない。正しい努力をする為には、それを見つけ出さなく
てはいけないわけだ。
今の私が綱吉くんの役に立てるとすれば……勉学と空手くらいかしら。
「……とりあえず、日課の勉強とトレーニングは続けましょう」
頭の中を整理するのに運動は良い効果を与えてくれる。なので、とりあえずいつもしているようにランニングをすることにした。
ジャージに着替え、マンションを出て走り始める。
「よし、始めましょう」
まだ外に人通りは少ない。冬休み初日だし、皆普段より長めに寝ていたいのだろうか。
「はっ……はっ……」
しばらく走っていると、公園の近くに来た。ランニングではいつも公園内を数周するので、い
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ