クリスマスイブイブストーリーB
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俺の言葉にスーツの男は数秒沈黙し、やがてこちらに振り返った。
「……よし、いいだろう。冬休み最終日にもう一度見てやる。それがラストチャンスだ」
「ああ、わかった」
「じゃあ楽しみにしてるぞ、綾小路清隆」
??シュン!
「……」
楽しみにしてると言った途端、スーツの男が姿を消した。
突然消えた方法は分からないが、今それを気にしてもしょうがないだろう。
今気にすべきは、ラストチャンスをどうやって物にするかだ。
今のままでは無理、と言うことはもっと強くなる必要がある。
……その為には。
「なぁ」
「ん?」
雲雀の所に戻り、奴に話しかけた。
雲雀が俺を焚きつけて未だこの場に残っているのは、きっとまだやることがあるからだ。
そして俺の事を焚きつけたりするのは、俺をやる気にさせる為に違いない。
おそらく元々俺を指導するつもりだったのだろう。
まんまとその流れ乗ってしまったのは悔しいが、俺が強くなることは綱吉の相棒としても必要な事のはずだ。
そう思うと、人生で一度も言ったことのないような言葉が口から飛び出していった。
「冬休みの間、俺と毎日スパーリングしてくれないか」
「……いいけど、明日も今日と同じならつまらないな。こっちはメインウェポン使えないし」
「同じにはしない。絶対に毎日レベルアップする。だから頼む」
「……じゃあ、前日と同じ様な手を使ったら速攻噛み殺すから」
今あったばかりの人間にこんな事を言うことになるとは思わなかったが、自分でもびっくりするくらいスーッと言葉が出てくるのだ。
「ああ。それでかまわない」
「分かった。僕は大抵この近くにいるだろうから、時間があるときにでもここに来て」
「了解した」
くるりと肩で羽織っている学ランを翻し、雲雀はこの場から去っていった。
「……」
??ドクン、ドクン。
静かになった空間の中、頭の中では自分の早くなった鼓動音が響いている。
「……走るか」
1人になった俺は、昂っている心臓を抑える為にランニングを開始したのだった。
?? 堀北side ??
「……はぁ、なんだったのかしら」
綾小路君の部屋から自分の部屋に戻った私は、リビングのベッドに寝転がっていた。
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