クリスマスイブイブストーリーB
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吉は、僕のような本来なら仲間になり得ないような人間をも仲間にしようとする。……君もそうだったんじゃない?」
「!」
「君は僕と似た人種の匂いがする。それなのに沢田綱吉の相棒役を受け入れているいうことは……沢田綱吉に対して何か思うことがあるんだろう。それが敵意なのか、はたまた信頼なのか。それは分からないけれど、それでも彼の懐に入っているということはそこには強い意志があるはずだ。そう……誇りのようなものが」
「……誇り」
「そうだ。今の僕の誇りは並森の風紀と、沢田綱吉が率いるボンゴレの風紀を守る事。そして、それを乱すものへの鉄槌だ」
「……その誇りは雲の守護者だから守れるもので、だからこそ綱吉の雲の守護者の座があんたの誇りというわけか」
「いや、少し違うよ」
「……何?」
「別に誇りを守る為に守護者をしているわけじゃない。僕は自分が選ばれた雲の守護者の座を誰にも譲りたくない、ただそれだけだ。でもね、それがが誇りってものなのさ」
「……どう言う意味だ」
「誇りだから譲れないんじゃない。譲れないから誇りなんだよ」
「!」
「誇りを守る為に守護者をするんじゃない。風紀も守護者の座もどちらも譲れない。だからこそ誇りなんだ」
自分の中にある、誰にも譲れないもの。それが誇り……。
じゃあ俺にとって譲れないものってなんだ?
ホワイトルームで培った自分の能力か?
……いや違う。それはただのプライドだ。
本当に譲れないものは、俺の事を信じて頼りにしてくれる、綱吉の相棒の座だ。
つまり、俺にとっての誇りとは。
綱吉の相棒の座≠ニ綱吉を自分がサポートすること≠ネのだろう。
「……俺の、誇り」
「理解できたみたいだね。……はぁ、ならさっさと取り戻して来なよ」
「ああ」
疲れた顔をする雲雀から視線を外し、いまだ遠くには行っていないスーツの男の背中を追う。
ゆっくり歩いていたおかげで、全力で走れば数秒で追いつくことができた。
「待ってくれ」
声をかけると、スーツの男は足を止めたがこちらには振り返らない。
「……なんだ?」
「俺が綱吉の相棒に相応しいかどうか、まだちゃんと決まっていないだろ」
「さっき言っただろう。相応しいとは言えないと」
「いや、あんたは今はまだ≠ニ言った。つまり、成長しだいでは相応しくなれるってことだろう」
「! ……」
「だったら、もう一度だけチャンスをくれないか。次は必ず認めさせてみせる」
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