クリスマスイブイブストーリーA
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「ふん、遅ぇよ」
相変わらずの憎まれ口を吐く龍園だが、顔はガーゼや絆創膏だらけだ。綱吉に作られた傷だな。
……さて、なぜ俺はこいつに呼び出されたんだろうな。
「何の用だ?」
「……聞きてぇ事がある」
「聞きたい事?」
「綾小路、てめぇは沢田の目標をどう思ってんだ?」
「! 24億ポイントのことか?」
「ああ。学年全員でAクラスで卒業する〜とかいうふざけた目標さ。お前はどう思っている? 達成できると思うか?」
龍園からのこの質問に、俺は正直に答えた。
「……無理だと思ってる」
「! ほぉ。お前のボスが言っているのにか?」
「ああ。あくまで俺の考えではだけどな。綱吉がどうやって目標を達成しようとしているかは分からん」
「それを沢田に言ってやったか?」
「本気かとは聞いたな。本気だと即答されたけどな」
「止めなくていいのかよ」
「止める? 止めるわけないだろ。どんなに無茶でも俺はあいつについて行くだけだ。まぁ意見はするだろうが」
「……なぜ自分でも無理だと思う道を選ぶボスに付いて行けるんだ?」
「決まってる。あいつならできるんじゃないかと思えるからだ」
「!」
俺だって絶対に無理だと思う道を進みたくはない。だがあいつなら……綱吉なら達成してしまうのではないか。そう思えるから、俺は綱吉の進む道を付いて行きたいと思うんだ。
俺の返答が理解できないのか、龍園は次にこんな事を聞いてきた。
「なぁ。お前、どうして沢田の仲間になったんだ?」
「……何がいいたい?」
「お前は無人島試験で沢田に勝負を挑んでたんだろ?」
「まあな」
「それで負けたんだろ?」
「ああ」
「……なら、お前はどうして沢田の仲間に戻ろうと思えたんだ? 一度は裏切ったのに、沢田のどこに再び付いて行く価値を見出した?」
……なるほどな。こいつは1年の内は綱吉に協力を要求されれば応じないといけない。さらに2年になったら協力しあおうとまで言われている。
その事で悩んでいるのか。無理もない、元々独裁者のこいつに誰かの下につくことは難しいだろうからな。
(まぁ綱吉は上とか下とか考えてないだろうが)
「別に負けたから従っているわけじゃない。付いて行きたいと思ったから付いて行っているだけだ」
「……沢田には付いて行きたいと思えるほどの何かがあると?」
「ああ」
「具体的にはなんだ?」
「……さあな」
「……はぁ?」
俺
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