クリスマスイブイブストーリーA
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な。
「……じゃあ、私は帰るわ」
「おう。そうか」
宝石箱に指輪をしまいこみ、椅子から立ち上がった堀北。
玄関までは見送ろうと俺も立ち上がる。そして2人で玄関に歩いていた、その時だった。
??またも不思議なことが起きたんだ。
「お見送りは結構よ。それよりも早くその顔を視界から外してくれない?」
「……いつもだが酷い言い方だな。そんなだとあいつに嫌われるぞ??美鈴みすず」
「黙りなさい。あなたの意見は求めてないわよ??是清これきよ」
『……え?』
玄関に突然の静寂が訪れる。
「……」
「……」
俺も堀北も何かを言うわけでもなく、ただただ相手の顔を見るだけだった。
そしてしばらくすると……
「ご、ごめんなさい。何か今日ちょっと体調不良みたいだわ」
「いや、俺も体調不良っぽい。すまん」
「いいの、じゃあまた明日」
「ああ。明日な」
??バタン。
「はぁ、なんだったんだ?」
玄関のドアが閉められて1人なった俺は、頭をポリポリと掻きながらリビングに戻った。
「……寝るか」
体調不良っぽいから寝ておこうとベットにダイブする。
そのまま眠りに落ち……たかったのだが、神様はそれを許してくれなかった。
??プルルルル。プルルルル。
勉強机に置いていた学生証端末から着信音が鳴り響いたのだ。
「……面倒だな」
ベッドからのっそりと起き上がり、勉強机の学生証端末を手に取る。
「……知らない番号」
液晶に表示されたのは知らない番号からだった。面倒ではあるが、応じないといつまでかけられそうだと思ったから電話に出ることにした。
??ピッ。
「はい」
「……よぉ。綾小路」
「! その声は……」
「なぁ、少し顔を貸せよ」
「何の用だよ、龍園」
そう、電話をかけてきたのは龍園翔だった。
12月23日 AM9時30分。
?? 敷地内、広場 ??
龍園の電話に出た後、俺はマンション近くにある広場に来ていた。
ここに来るように呼び出しを受けたわけだな。
広場に着くと、広場内のベンチに座る龍園の姿が見えた。
「……来たぞ」
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