クリスマスイブイブストーリーA
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「は? まじか?」
「ええ……」
そんなことあるか? 指輪って実は全部に伝承ついてるのか?
「で? どんな伝承だ?」
「……言わないわ!」
「俺は言ったぞ?」
「だから? 私は絶対言わないわ!」
「……何でキレてるんだよ」
理不尽にキレられるは納得いかないな。
「……はぁ。行くわよ」
「は? どこに?」
「マンションよ」
「もう帰るのか?」
「そうじゃない、お互いの指輪を見せ合うのよ」
「いや、なんでだよ」
「伝承がある指輪なんてそうそうないわ。もしかしたら同じような指輪かもしれない、そうなったらプレゼントが被っちゃうわ。その確認をするのよ」
「ああ、なるほどな。じゃあ少し待ってくれ。トースト食っちまうから」
「早く食べなさいよ。全く……昔からあなたってノロいわよね」
「食事くらい好きにさせろよ。お前こそ何で昔からあいつ以外には理不尽なんだよ」
「……え?」
「……あ?」
俺は今の自分の発言に違和感を覚えた。昔から≠チてなんだ?
まだ出会って1年経ってないんだけどな。
(……分からん。なんでそんなこと言ったんだ?)
ちらりと前に視線を向けると、堀北も堀北で何か戸惑ったような顔をしている。
……が、ふいに俺と目が合うとキッと睨み付けられてしまった。
(怖。さっさと食うか)
そして、トーストを平らげた俺は堀北と共にマンションへと帰った。
?? 清隆の部屋 ??
??ピンポーン。ガチャ。
「お邪魔するわ」
「おう」
自分の部屋から指輪を取ってきた堀北を部屋に迎え入れた。
リビングにあるダイニングテーブルに堀北を座らせ、俺は自分の指輪が入った宝石箱を持ってくる。
??コトン。
「!」
テーブルの上に宝石箱を置くと、堀北は一瞬驚いたがワナワナと震えだしてしまった。
「……どうした?」
「……」
??コトン。
「……まじか」
俺が声をかけると、堀北は返事の代わりに持ってきたであろう物をテーブルに出した。
それは宝石箱だった。俺と同じ長方形の箱、というか見た目が全く同じ。
「……これ、被ったってことか?」
「そうでしょうね。見た目同じだし、どちらにも伝承があるし……」
「ま、まぁでも中身が違えばいいだろう」
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