クリスマスイブイブストーリーA
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、すでに決めている1つとはアレのことである。
アレとは……母から贈られたという宝石箱に入っていた、形が変な指輪のことだ。
『??そして片割れの形は、自らが最も信頼する者に手渡せ』
あの宝石箱の言い伝えでは、指輪は最も信頼している者に手渡さないといけないらしい。
そして、俺が最も信頼しているのは綱吉である。それでクリスマスプレゼントとして渡してしまおうと決めた。
別に母に思うところがあるわけではないが、言い伝えに従ってみるのも悪くはないと思ったからな。
「変な意味って……どう変なのよ」
「そうだな。俺が同性愛者と思われそうだからかな」
「はぁ? 何をプレゼントする気なのよ」
「……指輪だ」
「……え?」
俺の発言を聞いて、堀北の目がまん丸になる。それほど驚いたということか?
「……被ったわね」
「は?」
「指輪ってところがよ」
「はい?」
急に複雑そうな顔になったと思えば、堀北は眉間にできたシワを指で伸ばそうとし始めた。
「何言ってるんだ? お前はさっきトレーニングに使えそうな物にするって決めたんじゃないのか?」
「……それはそうなんだけど、私も元々は指輪を渡すつもりだったのよ。で、でも指輪だけだと変な意味になるかと思ったから追加でもう1つプレゼントすることにしたの」
「……理由まで被ってんな」
「最悪なことにね」
「そこまで言うか?」
相変わらず辛辣なやつだな。
……というか、お前も指輪をあげるって??
「交際0日でプロポーズするのか?」
「ばっ!? そ、そんなわけないでしょ!?」
「でも異性に指輪渡すのって……普通恋人か婚約者だけじゃないか?」
「ぐっ! ……だ、だからもう1つでカモフラージュしようとしたのよ!」
顔を真っ赤にして否定する堀北。これは本当に違うらしいな。なら完全に俺と被ってるわけか。
「あ、あなたこそ! 同性相手に指輪をプレゼントってどういう意味なのよ!」
「……深い意味はない」
俺の発言が癇に障ったのか、負けじと堀北も俺に反撃してきた。
「深い意味のない指輪って何よ」
「別に、その指輪は母方の家宝でな。指輪は最も信頼するやつに渡せって伝承があるらしいから、それに従おうとしただけだ」
「……伝承?」
「ん?」
伝承という言葉に堀北はさらに顔をしかめる。
「……どうした?」
「……私の指輪にも伝承があるのよ」
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