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2学期の終焉
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2学期の終焉

 

「GAOOOO!」

『!?』

 

 どこかから猛獣の鳴き声が聞こえてきた。

 

「な、なんだよ今の鳴き声!?」

「だ、誰かのペットだろ?」

「いやいや、あんな猛獣みたいな声を出すペットを飼っている奴なんているか!?」

 

 ……確かに。あんな声を出すペットを飼っている人がいるとは思えない。

 

 それなら今の鳴き声は何の鳴き声なのか。そんな私達の疑問に答えるかのように、鳴き声とは別の音が聞こえてきた。

 

 ??タンタン、タン、タン。

 ??ダダダダダ。

 

(……これは、階段を駆け上がっている音? いや、それよりも足音が二重に聞こえる?)

 

「おい、誰かが屋上に上がってきてんぞ」

「誰だよ? 沢田か!?」

 

 Cクラスの男子達が聞こえてくる足音に慌て出す。しかし、何か行動に移す前に足音の正体は屋上の扉にたどり着いたようだ。

 

 ??ガチャ……ギィィ。

 

 屋上の重い扉が音を立てて開いていく。

 

「おい! 鍵かけてねぇのか!?」

「しょうがねぇだろ!? 外からする鍵はねぇし、バリケードにできるもんもねぇんだからよ!」

「何かあるだろよ!」

「だからねぇんだって……ん?」

「ん?」

 

 男子達の責任の擦りつけ合いが始まるが、それは屋上の扉から小さい何かが入り込んできた事で中断された。

 

 ??トコトコトコ。

 

「!? 猫!?」

「なんだよ、猫かよ!」

「驚かせやがって!」

 

 入り込んできた小さい何かは猫だった。なんとなくライオンのような見た目に見えなくもないけど、飼い主の趣味なのかしら。

 

(あの猫は……!)

 

 猫を見ていると、数日前に綱吉君から猫を飼ったと言う話を聞いた事を思い出した。

 

 そして、その猫は何となくライオンっぽいっていう話だったはずだ。

 

 でも、この猫が綱吉君の猫だとしたら……。

 

「がううう〜」

「!」

 

 屋上に入り込んできた猫は、辺りを見回すと私の事を見た。そして私を見た途端にこちらに向かって走り寄ってきたのだ。

 

「くんくん。がうぅぅ〜♪」

「? なんで髪飾りを?」

 

 猫は私に近づくと、私ではなく近くにある髪飾りに興味を示した。

 

 くんくんと匂いを嗅ぎ、気に入ったのか尻尾を振りながらじっと見つめている。

 

「はっ! 残念だったなぁ堀北。せっかく助けが来たと思ったのによぉ!」


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