2学期の終焉
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ねぇか?」
「だなぁ、おい健。お前元気付けてやれよ」
「お? そうだな。じゃあ俺が」
「……須藤君、今は黙ってて頂戴」
「お、おう……」
「寛治君も、少し静かにしててくれるかな?」
「! 分かった!」
須藤と池が何か余計な事をしそうになるが、それぞれの想い人がそれを制した。
『……』
再び場を沈黙が支配する。……が、今度は軽井沢がその沈黙を破った。
「……私、名前で呼んでもらってないわ」
『え?』
「あ、私も……」
木下が軽井沢の発言に同意し、他の者は視線を2人に向けた。
そして俯き気味な軽井沢に美雨が声をかけた。
「名前で呼んでもらってないって?」
「うん、私は苗字で呼ばれてるから」
「あ、そう言う意味か……」
「私も……」
確かに軽井沢と木下はツナから名字で呼ばれているが、他の8名は全員名前で呼ばれていた。
「今日も名字の呼び捨てだったわ」
「あ、私も」
「そうなんだ。……2人は名前で呼んで欲しいの?」
今度は一之瀬が2人に声をかけた。2人は無言で頷いている。
「……というか、皆は何で名前で呼ばれるようになったわけ?」
軽井沢が顔を上げて皆を見回しながらそう聞くと、全員が同じ答えを口にした。
「私は名前で呼んでほしいってお願いしたよ♪」
「私もそうね。自分から名前で呼んでと伝えたわ」
「私もだよ」
「私もだなぁ〜」
「私とひよりちゃんは3人で名前で呼び合おうって決めたよ。ね、ひよりちゃん」
「そうですね。そうでした」
「私と愛里は、グループメンバーは名前かあだ名呼びってルールにしたからね」
「う、うん。そうだった」
全員が自分から名前で呼ぶように頼んでいたらしい。
「木下さん、ツナ君はお願いしたら受け入れてくれると思いますよ?」
「そ、そうかなぁ」
「はい。彼は優しいですから」
「軽井沢さんもお願いしなよ。すぐに受け入れてくれるよ」
「……そっかぁ」
(……よし、今度お願いしてみよう。できればクリスマスイブに遊ぶ前には名前で呼ばれたいもん)
(お願いしても……いいよね。クラスメイトになるわけだし)
2人が内心で決意をしていると、今度は一之瀬が新しい話題を切り出した。
「あ、ねぇ皆。助けてもらったお礼はどうする?」
「え? お礼?」
「うん。何かお礼をするべきだとは思うんだけど、全員でするか、個人
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