2学期の終焉
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がうぅぅ〜」
「!」
立ち上がった私の足元にナッツが擦り寄ってくる。その口には私の髪飾りを咥えていた。
「あ、ありがとう」
「がうう〜♪」
私がナッツの口元に手を持っていくと、その手にポトリと髪飾りを落としてくれた。
「ナッツは賢いのね」
「ありがとう」
「でも、どうしてもこの子も連れてきたの?」
「いや、連れてきてはない。君を助けにこのデパートに来たら、なぜかナッツがいたんだよ。マンションから脱走してきたんだろうな。でも部屋に戻してる時間はないから、連れてくるしかなかったんだ」
「そうだったの」
(ゴロゴロ〜)
髪飾りを渡してくれたお礼にナッツの頭を撫でると、気持ちよさそうに喉を鳴らした。
「階段降りれるか?」
「ええ、大丈夫」
「そうか、辛かったら抱えて降りてやるからすぐに言ってくれ」
「い、言わないわよ///」
そんな恥ずかしい事できるか、と思わず強がってしまった。
(でも他の子達は皆抱えてもらっていたみたいだから、私もしてもらえばよかった)
??そう思ったのは内緒の話だ。
『はぁ、甘いわね。そんな事では想い人は手に入らない。……私のように』
「えっ!?」
「え?」
階段を降りている途中、耳元で何かを囁かれた気がした。思わず辺りを見回すが隣には綱吉君とナッツ以外には誰もいない。
「鈴音、どうした?」
「……い、いえ。なんでもないわ、ごめんなさい」
「そうか? 無理はするなよ」
「え、ええ……」
今日は変な事なかりだ。誘拐されるし、髪飾りが光って見えるし、誰もいないのに頭の中に声が聞こえるし。
きっと疲れているんだろう。そう無理やり納得して私は綱吉君達と共にデパートの入り口へと向かった。
〜デパート入り口〜
「鈴音ェ!」
「! 須藤君」
デパートの入り口に着くと、そこには須藤君がいた。
「だ、大丈夫か!?」
「え、ええ。問題ないわ」
「本当か!? いや、心配だから医者に見てもらわねぇと!」
須藤君は心配そうな顔で私の肩を掴んでそう言ってくる。
すると、そんな彼の肩を綱吉君が掴んだ。
「須藤、鈴音を病院に連れて行ってくれ。君を呼んだのはその為だ」
「! お、おうよ! ツナ、俺を呼んでくれてサンキューな!」
どうやら綱吉君が須藤君の事を呼んでいた
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