2学期の終焉
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「来たのは迷子の子猫ちゃんだけだったとはなぁw」
(……さっきの咆哮みたいな鳴き声はこの子のなの?)
助けが来ていない事に安堵したのか男子達は元気を取り戻していた。
……いや、それはおかしい。だって足音は確実に2つ聞こえていたのだから。
それに猫1匹であんな足音を立てられるとも思えないわ。
(だとすればもう一つの足音の正体はどこに……!)
もう一つの足音の正体を探そうと扉の方に視線を向けると、Cクラスの男子達の後ろに見知った顔が見えた。
(! 綱吉君!)
そう、綱吉君が立っていたのだ。
Cクラスの男子達は私の方を見ているので、後ろの綱吉君の正体には気づいていないらしい。
「……」
「おいどうした? こっちをじっと見て?」
「だから助けは来ていな……がっ!?」
??バタン。
「!?」
男子の1人がいきなり呻き声を上げて倒れた。
理由は単純で、綱吉君が手刀を首元に叩き込んだのだ。
「何だ!? ……あっ!」
「……ふん」
「ぐあっ!」
クラスメイトが倒れた事で後ろに誰かがいると気づいたもう1人の男子。しかし、振り向くよりも早く綱吉君に手刀を打ちこまれてしまった。
「……」
2人を気絶させた綱吉君は、私の元まで歩いてくる。
「ナッツ。ちょっと退いてくれ」
「がうっ!」
(……ナッツ?)
綱吉君にナッツと呼ばれたその猫は、先程まで興味津々だった髪飾りからすんなりと離れて行った。
(綱吉君の言う事を聞いた。ってことはやっぱり、このナッツという子猫は彼のペットって事か)
しかし、人質を救出するのにどうしてペットを?
気になってしまった私は、手足を縛っているロープを解いてくれている綱吉君に質問する事にした。
「あの、綱吉君。その猫は前に言ってたペット?」
「ああ。ナッツって名前なんだ」
「……くすっ。そう」
ツナとナッツか。何だか可愛らしい名前だと思えて小さく笑ってしまった。
「……これでよし。鈴音、体は大丈夫か?」
「ええ。おかげさまで無事よ」
「そうか。それならよかった」
「助けに来てくれてありがとう」
「いいんだ。俺達はパートナーだからな」
「! ……ふふっ、そうね」
綱吉君はロープを解き終わると、私の手を掴んで立ち上がらせてくれた。
「
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