9名の救出劇C
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み込んだ。
「よし。一之瀬、背中に乗ってくれ」
「あ、私歩けるよ?」
「沢田にお前のことを頼まれたからな。無理はさせられん」
「……そっか。じゃあお願いします」
言われた通りに私は神崎君の背中におぶさった。
「よっと、じゃあ病院に行くぞ」
「うん。……あ、Cクラスの男子達はどうするの?」
外に出ようとする神崎君を引き止めてベンチで気絶している2人を指差した。さすがにこのまま放置してもいいものかと思っていたのだ。
「心配ない。誰か教員が今回の加害者を回収して回ってるらしいからな」
「回収?」
「ああ。沢田が気絶させた奴らを学校に連れて行ってくれてるんだよ」
「え? じゃあもう学校側でも問題になってるの?」
「いや。沢田が頼んだらしい。だから学校で問題になっているわけじゃないはずだ」
「そっか」
(10人も人質がいるから、時間がなくて後処理を先生に頼んだのかな)
気絶している男子達を見ながら考え込んでいると、神崎君に意識を引き戻された。
「ほら、病院に行くぞ」
「! あ、うん。お願いします」
そして、私は神崎君におぶってもらい病院に向かった。
病院への道中に神崎君がこんなことを言ってきた。
「……全く。今回のはないよな」
「え?」
「Cクラスだよ。完全に誘拐事件だろう。明らかな犯罪だぞ」
「うん。そうだね。ここまでするとは思ってなかったよ」
「ああ。……全く、犯罪に手を染めるなど持っての他だ。信じられないぜ」
(!)
「犯罪を犯す奴の心理ってどうなっているんだろうな。まぁ分かりたくもないんだが」
(……分かりたくもない、か)
神崎君の悪気のない言葉に、私は押し黙ってしまった。
そんな私に神崎君は声をかけてくる。
「? 一之瀬?」
「……あ、ごめん! 少しぼーっとしてたみたい」
「大丈夫か? 具合悪くなってきたのか?」
「ううん! 大丈夫! 安心して気が抜けただけだと思う」
「そうか? ……ならいいが」
それからは私の体調を気遣ってくれたのか。神崎君は無言で歩き続けた。
そんな中私は……こんなことを考えていた。
もしも。もしも私の過去を神崎君やBクラスの皆に知られてしまったら、皆はどう思うのだろう。
綱吉君みたいに、気にしないで今まで通りに接してくれるだろうか。
……それとも、はっきりと拒絶されてしまうのだろ
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