9名の救出劇C
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そういうことかな」
「……綱吉君は強いね」
私は抱えているモノをすぐにでも無くしたいとしか考えてこなかったよ。
少し落ち込んでしまうが、それを察したのか綱吉君は私を励ましてくれた。
「帆波ちゃんだって強いさ」
「え? 私は強くないよ」
「強いって。何かを抱えて苦しんでいるのに仲間とか友達の為に必死になれるんだから。自分よりも他人を優先できるってのは、心が強くないと出来ないよ?」
嬉しい言葉だけど、罪滅ぼし的な気持ちも少しあるからちょっと気まずい。
(まぁ、どれだけ頑張ったところでやってしまった事は消えないんだけどさ)
??その時、綱吉君は私の心を読んでいるんじゃないかってくらいピンポイントな話をし始めた。
「帆波ちゃん。『やってしまった事は変わらない』とか、『未来は変えられるけど、過去は変えられない』とか世間では言われてるでしょ?」
「う、うん」
「だけどね。俺は半分正解で半分間違っていると思うんだ」
「え? 半分間違ってる?」
「そう。確かに過去や未来を実際に変えることなんて奇跡≠ナも起きないとできないけどさ、未来が変われば変わる過去だってあると思うよ」
「……それって、どう言うこと?」
「自分だよ」
「え?」
「自分の考え方だよ。未来を変える為には実際に未来にタイムスリップするか、今を変えないといけないでしょ?」
「うん……」
タイムスリップって、いきなり冗談を言うなんてどうしたのだろうか。……まるで本気でタイムスリップしたことあるみたいな印象を受けるよ。
「未来を変える為には自分の行動を変えないといけない。そして、行動の変化で未来が変わった時には必然的に自分は変わっているはずだ」
「そうだね」
「でしょ? そして自分が変わっていれば、考え方だって変えられるはずだ。『あぁ、あの時の選択は必要だったんだなぁ』ってさ」
「!」
「……まぁ都合いいかもしれないけどね。自分の選択に後悔しない為には、この先もずっとその選択は正しかったって思える自分でいないといけないんだ」
……都合がいい。確かにそう思ってしまう。あの時の私の行動は、確かに他人に迷惑をかけていたから。それを必要なことだったと思ってもいいのだろうか。
「……いいのかな」
「?」
「そう都合よく考えても、いいのかな」
「いいと思うよ」
綱吉君は私の葛藤を簡単に肯定して見せた。
「すごい簡単にいいって言うんだね」
「う〜ん。まぁそう思わないとやってられないって所があるからね。ま
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