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ようこそボンゴレ]世。実力至上主義の教室へ
9名の救出劇C
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て、これからDクラスはもっと強くなっていく時だったのに。兄さんにも少しだけど認めてもらえたのに。

 

『それならいい。お前を立ち上がらせた沢田の力になってやれ』

 

 兄さんからもそう言われて、もっと頑張ろうと思っていたはずなのに、これでは逆に足を引っ張ってしまっているだけだ。

 

「……くっ」

 

 怒りの後は、情けなさがこみ上げてきた。

 

 綱吉君とAクラスを目指す為に力を尽くす。それが私のやるべき事のはずなのに、また私は綱吉君に迷惑をかけてしまうのかと。

 

 ……誘拐される時、なんとか緊急連絡を送る事はできた。だから綱吉君が助けに来てくれるはずだが、私を助けに来たら他の9人が酷い目にあってしまう。

 

「……どうすれば」

 

 一体どうすればこのCクラスの作戦を止める事ができるのだろうか。手足を縛られているのでろくに身動きも取れないから寝返りを打って向きを変えるくらいしかできないが、なんとか体を動かして頭を働かせようとする。

 

 ??カラン。

「!」

 

 その時、ブレザーのポケットの中から何かが床に落ちた。

 

(あ……母さんからもらった髪飾り)

 

 兄さんに少しだけ認めてもらえたあの時。母さんからの贈り物だと兄さんから受け取った宝石箱。

 この髪飾りはそこに入っていたものだ。

 

 錆びているので身に付ける事は出来ないが、宝石箱には言い伝えがあって『2つのうち完全な形を自らに』という言葉がその一説にある。

 

 なのでお守り代わりに髪飾りを持ち歩くようにしていたのだ。

 

(……ねぇ、私はどうすればいいと思う?)

 

 床に転がる髪飾りを見て、私は思わずそう問いかけてしまった。この髪飾りは先祖から受け継いでる家宝らしいから、先祖に助けを求めようとでも思ったのかもしれない。

 

(……ふふ。答えるわけ、ないわよね)

 

 だが、もちろん物なので意思を持たないから返事などない。

 

 ??そう自分の行動に呆れた時だった。

 

 ??ボウっ。

(……?)

 

 髪飾りが薄らと赤い光を放ったように見えた気がした。

 

(……気のせい?)

 

 さすがに髪飾りが光るなんてあり得ない。きっと自分の勘違いだと思った。

 

 こんな状況だし、精神が乱れているんだろう。……そう思ったのに。

 

 ??ボウっ

(! やっぱり気のせいじゃない?)

 

 やはり髪飾りは光ってるように見えた。

 他の人にも見えているのかとチラッと
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