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9名の救出劇B
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9名の救出劇B

 

「は、波瑠加ちゃんも。大変だったんだね」

「ん? あはは、まぁそうでもないよ。すぐにツナぴょんが助けに来てくれたし」

 

 波瑠加の話を聞いた愛里は心配そうに波瑠加の顔を覗き込む。

 そんな愛里に心配をかけまいと、波瑠加は笑って心配ないと誤魔化した。

 

 ツナに言われた君が大丈夫なら皆も大丈夫という言葉を信じているのだろう。

 

 実際強がる波瑠加を見て愛里は安心した様に一息ついている。

 

「そっか……波瑠加ちゃんは強いんだね」

「ん……そ、そんな事ないって!」

 

 波瑠加も決して怖い思いをしなかったわけではない。ただ強がっているだけだ。

 そしてその強がりはツナが与えた安心感があるからできることではあるが。

 

 愛里と波瑠加の会話が終わると、次の人の話へと移る。

 

 もちろん話を進行するのは桔梗だ。

 

「長谷部さんの次は誰の所に行ったのかな? あとは〜、堀北さんと佐藤さん。そして一之瀬さんだけだよね」

「そうね。でも私は最後だと思うわ。綱吉君が軽井沢さんを助けにいくと言っていたから」

 

 桔梗の質問に堀北が答える。そして、それに続く様に他の2名も続いた。

 

「私は堀北さんの前だと思う。次は鈴音を助けるって言ってたから」

「あ、私は次に一之瀬さんのとこに行くって聞いたよ」

 

 3名の言葉によって、3名の話す順番が決まったようだ。

 

「じゃあ次は佐藤さんだね。お願いっ!」

「うん。分かったよ」

 

 残る3人のうち、最初の語り手は佐藤のようだ。

 

 

 

 ?? 佐藤side ??

 

 

 ツナ君の参加する審議を傍聴に行く為に、私はランチの後に軽井沢さんとみーちゃんと共に会議室へと向かっていた。

 

 しかし、その途中でCクラスの男子達に拉致されてしまう。一緒だった軽井沢さんとみーちゃんとは完全に分断されて、私は1人どこかに連れて行かれた。

 

 ……そして私が連れて行かれた場所は、ケヤキモール内にある家電量販店の裏手にある貸し倉庫の一つだった。

 

「……ほいっと!」

「痛っ!」

 

 倉庫内に入るや否や、私は手足を縛られた状態で床に放り投げられた。

 

 下が木の板だったのはまだ救いだったよね。

 

 ??ガラララ……ガチャン。

 

 私を誘拐したのは2名の男子。確かCクラスの奴らだ。

 

 私を担いでいなかった方の男子が、倉庫のシャッターを閉めてしまったようだ
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