9名の救出劇A
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「思い出した! こいつ雫ちゃんだよ!」
「雫? ……あっ! あのグラビアしてた雫ちゃん!?」
「お前も知ってたか?」
「おう! 俺ファンだったもんよ!」
……最悪だ。私の事をCクラスの男の子達に知られてしまった。
そしてそれと同時に、男の子達の私を見る目も変わっていた。
「あ〜! 雫ちゃんと同じ学校だったのかよ!」
「くぅ〜! 同じクラスが良かったなぁ〜!」
「だよなぁ〜、水泳とか体育とかパラダイスだったのになぁ〜」
先程までと180度反対の反応。
……これは私がグラビアをやっていたからかな。
男の子が女の子の体に興味津々なのは仕方がないし、思わず目が行くのも仕方がない。
だってグラビアはそう需要があるから成立するものだし。
だけど、私は基本的に目立ちたくない人間だ。
グラビアをやっていたのは、アイドルという偽りの仮面を被れば本当の自分を隠して別の自分になれると思ったから。
最初はそんな理由だったけど、高校入学時にはカメラに向かって笑顔を向けて、他人に笑顔の自分を見せる事にワクワクするようにもなっていた。その延長上に今の写真撮影の趣味があるわけだし。
……でもそれはネット上だからできる事だ。
リアルで誰かに見せることはきっとできない。
グラビア撮影にも撮影スタッフに男の人がいるけど、下心は一切ないプロとしての仕事だから許容できていただけだった。
だから、今こうやってジロジロと見られていることも嫌で仕方がない。
……見ないで。
私の素顔も、私の体も見ないで。
「くくく、なぁ雫≠ソゃん。俺達と個人的な撮影会しない?」
「……え?」
「俺ら3人だけでこっそり撮影会やろうぜ! それを受けてくれるなら痛い目には合わなくてすむぜ? なぁ雫≠ソゃん?」
……雫、ちゃんかぁ。
それはアイドルをやっていた時の、本当の自分を隠したかった時の私の名前なんだよ。
今の私はアイドルを休止した、佐倉愛里という普通の女子高生なのに。
(この人達は、私のグラビアアイドルとしての姿しか見てないんだね)
まぁそれも仕方ないとは思う。クラス内でだって私の胸に男の子の視線が向いてることはよくあるし。
グループの男の子達だってそうだ。何かの弾みで私や波瑠加ちゃんの胸が揺れたりすると目が行ってる。
それでも思わず目が行ってしまったっ
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