9名の救出劇A
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に下ろして座らせてくれた。
「明人。波瑠加を病院に頼む」
「ああ。任せろ」
「助かる。じゃあ俺は他の子を助けに行ってくる」
みやっちと話し終わると、ツナぴょんはどこかに走って行ってしまった。
「よし、病院に行くぞ波瑠加。肩に掴まれ」
「……う、うん。ありがとうみやっち」
みやっちに肩を借りながら病院へと向かう。
その道中、私はこんな事を考えていた。
私はこれまでに恋愛なんてしてこなかった。
好きになったかなと思う人はいたけど、本当に恋だったのかは分からず終いだった。
それは告白をしなかったからなんだけど……そのことは今でも後悔している。
だから、次に恋をしたら後悔しないように頑張ろうと思っていた。
……だけどもし。もしも今抱えたこの感情が恋なのだとしたら。
……私は、自分の気持ちと親友の気持ち。そのどちらを取るのだろうか。
??そんな事を考えていたら、いつの間にか病院に着いていた。
「波瑠加、着いたぞ」
「え? あ、本当だ」
みやっちに先導されて病院の中に入ると、待合室には愛里とゆきむーの姿が見えた。
自動ドアの音に反応して入り口の方を見る2人。
もちろん私達の事に気がついて、こっちに走り寄ってきた。
……全く。ここは病院だよ?
だけど、愛里も特に怪我はしていなさそうだ。
その事が嬉しくて、また涙ぐみそうになる。
(……ダメだ。ツナぴょんとの約束を果たさないと。私が笑っていれば、皆も笑う。私が大丈夫なら、皆も大丈夫。……そうだよね、ツナぴょん)
愛里とゆきむーが私達の前に来ると、愛里は予想通り心配そうに私の全身を見回し始めた。
「は、波瑠加ちゃん! 大丈夫!? ど、どこか怪我とかしていない?」
怪我が見当たらなくても心配なのか、愛里は私の両手を掴んできた。
「……」
「……」
(ゆきむー、みやっち……)
愛里から視線をゆきむーとミヤッチに移すと、2人も心配そうな顔をしている。
だから私は……いつも通りの軽い笑顔を浮かべて、笑って言ってやったんだ。
「あははっ♪ 3人ともなんて顔してんの? 私は全然大丈夫だよっ!」
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