9名の救出劇A
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……だからこそ辛い。
「それでお願いなんだが……」
「……何?」
「愛里が『大丈夫?』とか聞いてきたら……大丈夫だ≠チていつも通りの笑顔で言ってあげて欲しいんだ」
「……え?」
……いつも通りの笑顔?
……大丈夫だ?
私がそんなこと言って何になるの?
意味が分からなくて、私は思わず聞き返してしまう。
「……そんなこと言って、何になるの?」
「決まってるだろ。波瑠加が大丈夫なら俺達グループメンバーも大丈夫だからだ」
「……まずます意味が分からないわ」
余計に意味が分からなくなり、私がさらに聞き返した。
「私が大丈夫と言ったところで、愛里も他のメンバーも大丈夫にはならないでしょ」
「そんなことないぞ波瑠加。君は俺達のグループのコアだからな」
「……コア?」
コアって中心人物ってこと?
……いやいや、グループの中心はツナぴょんでしょ。
結成したときに沢田グループって事になったじゃない。
「……グループの中心はツナぴょんだよ?」
「いや、違う。俺達のグループの中心は君だ。だってあのグループを作ったのは波瑠加だぞ」
「!」
……まぁ確かに。私がこのメンバーでグループを作りたいとは言ったけど……その後にツナぴょんのグループだって決まったんだよ?
ツナぴょんが私達を纏め上げたんだからさ。
「でも、グループを纏め上げたのはツナぴょんだし……」
「確かに俺が纏め上げたかもしれない。でもな、俺はこう思ってるよ。沢田グループは……俺が集めて、波瑠加が一つに繋げたグループ≠セってな」
「!」
……ツナぴょんが集めて、私が一つに繋げた?
「……私が、繋げた?」
「そうだ。よく考えてみろ。いくら居心地がいいからって、基本的に1人で過ごす事が好きな人達がそう頻繁に集まるか? そして何時間も楽しくおしゃべりをするか? 俺はそうは思わない。普通に集まるだけなら、同じ空間にいてもそれぞれ好きな事をするはずだ」
「……」
「それなのに俺達は頻繁に同じ空間に集まり、楽しくお喋りして笑い合っている。そんな皆を見ていて俺は思うんだよ、グループメンバー達は居心地がいいという思いよりも、このグループで集まっていると楽しいという思いの方が強いんだとね」
「楽しい……」
……そうかもしれない。私もグループで一緒に過ごす時間を楽しいと感じていた。
だからこそ頻繁に集まって、くだらないおしゃべりに
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