9名の救出劇A
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ぜ?」
「はははっ! 急に怖くなったんじゃねw」
私を野次る男子達の言葉も頭の中に入ってこない。
(ああ、愛里。本当にごめんね?)
そう心の中で呟いて、もう自分はどうなってもいいと目を瞑る。
「あ? なんだよ、ついに観念したか?」
「いいのか? 目を閉じたってことはOKと受け取るぜ?」
どうとでも受け取って欲しい。親友の愛里をこんな目に遭わせた私には、きつい罰が必要だ。
「……好きにして。私は……親友をこんな事件に巻き込んだんだから、どうなったって自業自得だよ」
「おお〜。そりゃあいい心がけだなw」
「んじゃ〜まぁ。……遠慮なく?」
……私の胸部に男子の手が伸びてくるのが分かる。
愛里、私も同じ目に遭うからね。
すぐに男子達の手が自分の体に触れる……そう思ったが、全然体を触ってこない。
『ぐっ! ……がぁ……』
(……何を変な声を上げてるの? この状況を楽しみたいわけ?)
私はさっさと終わらせて欲しいのに。
思わず私は強い口調で男子達に懇願する。
「何してるの? さっさとやれよ! 親友を酷い目に合わせた悪い女に罰を与えてよ!」
「……いや、君は悪くない。悪いのは俺だよ。波瑠加」
「……え?」
叫ぶように懇願した私の前方から、最近よく聞く優しい声が聞こえてきた。
(この声は……)
声の主に思い至った私は、ゆっくりと目を開いていく。
少しずつ視界に入り込む光。そしてその中心にはツナぴょんが立っている。
目線を動かすと、すぐ近くにCクラスの男子達が倒れているのも見えた。
「……ツナぴょん」
「……波瑠加、無事で良かった」
ツナぴょんは床に寝かされている私の前に屈み込んでいる。
「……助けに、来てくれたの?」
「ああ。もちろんだ」
「……そっか」
緊急連絡を受けて助けに来てくれたのだろう。
! いや、今は私なんて助けてる場合じゃない!
「ツナぴょん! 私よりも愛里を! 愛里を助けて!」
私の前に屈んでいるツナぴょんのブレザーを掴みながらそう言うと、ツナぴょんは私の手を優しく包んでブレザーから離させた。
「安心しろ。すでに助け出している。愛里は無事だよ」
「! ……そ、そうなの?」
「ああ。だから安心してくれ」
……よかった。愛里は無事だっ
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