9名の救出劇@
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なくてAクラスの男子に見張られてた」
「! Aクラスの男子? Cクラスじゃなくて?」
「う、うん」
Aクラスの男子という言葉に驚いた軽井沢が聞き返すと、美雨はいい辛そうに話を続ける。
「Aクラスの王小狼に捕まってたんです」
「王小狼……王?」
偶然にも犯人と被害者の苗字が同じ。いや、これは偶然なのか? そう思った人物が多いだろうが、美雨が言いにくそうにしているので深くは突っ込まないようだ。
「……それで、何かされた?」
「う、ううん。私は特には……」
そして、美雨は自分が捕まった後の事を話し始める。
(……あの炎については話さないほうがいいよね?)
?? 約1時間前、美雨side ??
「……」
「くくく……」
ツナ君の審議を傍聴する為に向かった先で、私達はCクラスの生徒達に捕まった。叫べないように口を塞がれ、両手足をロープで縛られて。
全員バラバラにどこかに連れて行かれたんだけど……私が連れて行かれたのは生徒棟の屋上だった。
そして、私を屋上まで運んだ人達は屋上に着くなりいなくなった。
でも……そのかわりに屋上には小狼が待っていたんだ。
「ククク。……よう、奴隷」
「し、小狼」
「あ? 小狼? 小狼様だろう?」
小狼は私が呼び捨てしたことに腹を立てたのだろう。私の髪の毛を掴んで引っ張り上げできた。
「っ! い、痛い……」
「痛いダァ? このくらいは我慢しろよ奴隷」
「うぐぅ……わ、私はもう……ど、奴隷じゃない!」
「……ああ?」
勇気を出して小狼の奴隷という発言を否定するが、小狼はそれが気に食わないのだろう。額に青筋を浮かべている。
「……人質がいなくなったからといって、お前が俺の奴隷であることは変わらないんだぞ?」
「……ち、違う! 私はもう奴隷じゃない!」
「……はぁ。これを見てもまだ反抗的な態度が取れるか?」
小狼は呆れたように深いため息を吐くと、制服のブレザーを脱ぎ捨ててシャツの右腕側の袖をまくって見せる。
シャツの内側から現れたのは……歪な形の小さな機械だった。
「……あ」
私にはその機械に身に覚えがあった。
小学生の頃、親族を虐殺した実の両親と小狼が私の家に訪ねてきた時だ。
その時に両親達の後ろに控えていた人達も同じような機械を付けていたはずだ。
「……そ、
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