暁 〜小説投稿サイト〜
ようこそボンゴレ]世。実力至上主義の教室へ
9名の救出劇@
[13/14]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

 

「なんで……なんで生贄なんて」

 

 私の絞り出すような声に、金田君は嬉しそうに答える。

 

「ふふふ、ペーパーシャッフルでDクラスに協力したからじゃないですか?」

「! ど、どうして」

「どうして? 龍園さんがそれくらい見抜けないと思います? 今回の事はその事に対する制裁でしょうね」

「そんな……」

 

 ペーパーシャッフルで櫛田さん達に協力していた事がバレていたなんて。

 

 バレていた事に驚いている私に、時任君が冷たく吐き捨てる。

 

「はっ。お前だってあいつの怖さは知ってるだろうに。……裏切るとか馬鹿な真似をしたもんだ」

「わ、私は裏切ったわけじゃ……」

「Cクラスの問題文をリークしたんだろう? 裏切り以外の何でもないだろ。というか、俺はお前のせいでこんな下らない事に巻き込まれてんだぞ。その鬱憤はお前で晴らさせてもらうわ」

「そ、そんな」

 

 時任君は拳の骨をポキポキと鳴らしながら私に迫ってくる。

 

「時任君。餌に暴行するのは、龍園君から連絡が来た後ですよ」

「うるせぇ、どうせ後からボコすんだろ? だったら今やっても同じだろうが」

「全く……仕方ないですねぇ」

 

 言っても聞かないと思ったのか、金田君はやれやれと首を振りながら引き下がってしまった。

 

 時任君は龍園君に否定的な男子だ。でも実力で勝てないと分かっているから渋々従っているのだろう。

 

「……こ、来ないで」

「逃げ場なんてないぞ。諦めろ」

「……い、いや。……た、助けて」

「いくら呼んでも助けはこない」

「……」

「ぶほっ!」

「弱いくせに強い奴に逆らった罰だ。素直に受け取れ」

 

 そして時任君の拳が私の顔に向かってきた、その瞬間。

 

「……違うな。木下は優しくて強い女の子だ」

「!」

「なっ!?」

 

 後ろの方から声が聞こえてきた。私と殴るのを辞めた時任君も後ろの方に振り返った。

 

 そこには、いつの間にか倉庫内に現れた沢田君と、足元にはいつの間にか気絶させられていた金田君が転がっていた。

 

「沢田! いつの間に!」

「お前が木下に詰め寄っている時だ」

「どうやって入った!」

「鍵閉めてなかっただろ?」

「はっ……くそ、金田の馬鹿野郎!」

 

 気絶している金田君に暴言を吐く時任君。

 

「話を聞いていたが、お前に木下を見下す権利はないな」

「! ふざけた事言ってんじゃねぇぞ」

「お前も龍園の事をよく思ってないんだろ? なのに
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ