9名の救出劇@
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を知らせたんだい?」
「……緊急連絡よ」
「緊急連絡?」
平田の質問には堀北が答えた。
堀北は自分の学生証端末を取り出して、詳しい説明に入る。
「学生証端末には緊急時に位置情報を送信する機能があるでしょう?」
「ああ、あれだよね。電源ボタンを10秒長押しするだけっていう」
平田が記憶を掘りこしながらそう言うと、堀北はコクリと頷いた。
「そう。でも誰も使うことはなかったはずね。操作が簡単すぎて、間違いで緊急連絡を送ってしまうこともあり得るもの」
「確かに。自分で連絡先を登録しないといけないのもあって、誰も使ってないだろうね」
「ええ。でも、今回は緊急連絡のおかげで綱吉君に位置情報を知らせる事ができたわ」
「! そうか。昨日の夜に沢田君がクラスメイト全員に自分の連絡先を登録するように言ってたよね。もしかして、こうなる事を危惧していたのかな」
「そうだと思うわ。おそらく今日何かしらCクラスに動きがあると読んで、何があっても対応できるようにしときたかったのでしょうね」
「さすがは沢田君だ」
感心するように何度も頷く平田。
「……そもそも波瑠加と愛里、お前達はどこでCクラスに誘拐されたんだ?」
平田に続き、啓誠が質問を投げかける。
啓誠のその質問には波瑠加が答えた。
「あはは〜。実はね? 今日の午後はツナぴょんが一之瀬さんの審議に参加する予定があったでしょ?」
「ああ、それは聞いている」
「でね? Dクラス内に、その審議を6名まで傍聴人として参加できるって話が流れてたの」
「は? 傍聴?」
啓誠が聞き返すと、波瑠加は照れたように笑う。
「あはは、そうそう。でね? 私が聞いた時点ではあと2人空きがあるって話だったから、愛里を誘って行く事にしたの」
「……なるほど、それで今日は2人とも昼飯を食べるのが早かったわけだ」
「そうか。予定ってのはその傍聴の事だったんだな?」
「あはは……面目ないです」
啓誠に加えて明人が話に加わってきた。2人の呆れたような視線に、波瑠加は気まずそうに笑うしか出来ないようだ。
「……も、元々その傍聴できるって情報が罠だったのかも」
「え?」
小さい声で美雨がそう呟いた。
すごく申し訳なさそうにしている美雨に、平田は優しく話を促していく。
「王さん、どう言う意味だい?」
「あ、あの。Dクラス内にその傍聴の話を持ち込んだのは私なんだ。私が軽井沢さん達に話をして、それを長
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