龍園VSツナ@
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、辛い思いはさせないように全力を尽くすからさ。だから、俺の事を信じてくれないかな』
……うん。信じてるよ。
こんな目に合ったのに、君の事を信じる気持ちは揺らがなかったみたい。
……すでに緊急連絡は送ってるけど、口に出して彼≠フ名前を呼んではいない。
だから君の名前を呼んで、助けてと叫んでもいいよね?
たとえその結果、この状況が変わらなかったとしても……。
……私は、彼≠ノ言ってあげたいんだ。
『今までも、これからも、ずっと信じてるよ』って。
「おい軽井沢、さっさと懇願してみろよ。無意味かもだけどな」
「……た……」
なんとか声が出た。
やっぱり怖くて声が震えるけど、なんとか一言は出た。
「あ? なんだ?」
何を言ったのか分からないのだろう。龍園は聞き返してきた。
「た……ツ……」
ゆっくりと、だけど確実に声を出せるようになっていく。
「何を言ってんだか、全くわからねぇぞ」
龍園に睨まれたけど、彼≠フ事を思えば勇気が湧いてくる気がした。
「もっとはっきりと言え!」
……そして、ついに私は彼に向けて叫び声を上げる!
「『た』すけて! 『ツ』っ君!」
「!」
今まで笑顔だった龍園の表情が固まった。
叫んだ事で私の心を覆っていた曇り空が、何か暖かい光に包まれて取り込まれていくような気がした。
「……もしも、もしも今日で私の居場所が、Dクラス≠ェ崩壊したとしても!……ずっとアンタに苦しめられ続けるとしても!」
「……」
「私は……あんたになんて屈しない!」
「……バカな奴だな。どうせDクラスは今日で終わりなんだ。それにお前達が沢田を信じてきたせいでこうなってるんだぞ?」
「……それが何よ。私が彼を信じたいから信じるの。それが全てよ!」
龍園は冷たい顔で私を見下ろしている。
「そうか……残念だが軽井沢。沢田が助けに来ようと来まいと、お前はもう終わりなんだよ」
……これでいいんだ。私はここで壊されて潰れてしまうけど、少しだけ自分が誇らしく思えたから。
何があっても好きな人の事を信じ続けた。そして信じ続けたまま潰される。
そう考えると、何となく今の私って格好よく見えない?
私の人生に面
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