龍園VSツナ@
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あ、クラスメイトの前でスカートを下ろされたこともあったな。
水泳の授業の後に下着を隠されたり、制服が無くなったことだってあるよ。
好きでもない男子に告白させられたこともあるし、いじめっ子の靴を舐めたこともある。
……ああ。また、私はあの時の自分に逆戻りしてしまうのか。
……だけど、そんなのは耐えられるわけないよ。
あんな地獄をもう一度耐えられるはずない。
……でももう、そうなるしか道は残されていないのかな。
冷え切った心と龍園の笑い声が、私には諦めるという選択肢しか残されていないという現実を突きつけてくる。
私以外にも9人も人質がいるんだもんね。いくらツっ君でも、この状況で全員を助けられるわけはないんだ。
……ああ、今日で幸せだった生活は終わりを告げるんだね。
もう、Dクラスで笑い合う事もできなくなっちゃうんだね。
目から涙が溢れて、地面へと零れ落ちる。
何度も、何度も……。
(でもやっぱり、諦めるのはいやだなぁ……)
その時。消えたはずの希望的な感情が、突然私の中に生まれた。
私の中に確かに存在していた、彼≠フ気持ちが助けてくれたのかもしれない。
この状況を素直に受け入れて、過去に逆戻りするのは嫌だよ。
だって、まだ助かる可能性だってあるんだから。
現実がいくら厳しくても、どれほど絶望的でも。
……彼≠ネらば、ひっくり返してくれるんじゃないか。
だって須藤の退学騒動や喧嘩騒動もそうだし、体育祭のピンチもそう。
誰もが諦めていたのに彼≠セけは諦めなかったんだよ?
しかも、その状況をひっくり返して勝ってきたんだよ?
そんな彼≠ェ……私の事を助けてくれないと思う?
……ううん。そんな事ないよ。
だって、彼≠ヘ私に助けを呼ぶ手段を与えてくれたもん。
『クリスマスまででいいので、この番号を学生証端末の緊急連絡先≠ノ登録して欲しいんです。何かあったら、すぐに助けに行けるように』
……それに、彼≠ヘ前にこうも言ってくれたんだ。
『今みたいにさ。俺、すぐに駆けつけるから!』
『駆けつける?』
『うん。軽井沢さんが俺を呼んでくれたら、今みたいに遠くからでもその声を聞いてさ、軽井沢さんの元に走っていくから』
『……うん』
『軽井沢さんに
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