害獣侵入
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とか、そういう不審点にも気付けただろうが、そういう細かい部分から目を逸らさせてしまうのは、ヤザンの手管が一枚上手だったということだ。
ザンスカール兵がいなくなったアイネイアースで、スージィが「は〜」と感心したように言った。
「おっちゃん、演技派じゃん!こんな事できる人だって思ってなかった!」
オデロも深く頷く。
「いやぁ人ってさ、才能ってやつは一つじゃねぇんだな!隊長って、戦争なきゃ死んじまう人種かと思ってたけど、意外と兵士以外もやれンじゃないの〜!さっきのイングリッドって人の写真、カテジナさん?金髪に見えたけど…俺にも見せてよ!」
赤ら顔のメイクを乱雑にこそぎ落としながら、ヤザンはギロリと少年少女達を睨んだ。
だが、ギョロリと見ながらも怒鳴ることはない。
オデロに「ほれ」と古ぼけた写真を投げ渡して、崩した髪を整える。
「昔とった杵柄ってやつかもしれんな」
「え!?ヤザンさんってジャンク屋だったんですか?」
後ろの方で「ひゅー、ツインテールの可愛い子じゃん!」「これって本当にヤザンさんの昔の奥さん!?年の差婚ってやつかな!」「道理でカテジナさんに手を出すわけね」などと勝手に盛り上がるオデロ連中は放っておいて、今度はウッソが目をぱちくりしながら言った。
ヤザンの片眉が上がる。
「そういう時もあったって事だ。ティターンズが戦後どういう扱いだったか、知らんお前じゃなかろう」
ある程度のインテリならば、ティターンズだったという意味を察する事は容易い。
ウッソも、なるほど、と漏らして首を縦に振る。
苛烈な残党狩りを生き延びる為には、火星にまで逃れたティターンズ残党もいたという資料も、ウッソは読んだことがある。ジャンク屋に扮する等は、まだまだ序の口なのかもしれない。
「ちなみに、このジャンク屋の許可証は本物だ。名前と期限だけは修正してあるがな」
「へ〜〜!じゃあバジャック・ジャンクショップってとこもあるんですか?」
今度はウォレンが首を突っ込んでくる。
普段は気弱なくせに、こういう野次馬根性はオデロにも負けない。
「チッ、うるさいガキどもだぜ。話はここまでだ。いいから休めるうちに休んどけよ!これからも、油断はできんのだぞ!貴様らもこれぐらいの演技は出来るだろうから、この任務に連れてきてんだ!ヘマしたら船から放り出してやる」
クランスキー姉妹にまで渡り歩いていた写真をぶんどって、ヤザンは喧騒を終わらせる。
あわわ、と口を抑えて引っ込んでいくウォレンに続いて、次々に少年達は後ろへとすっこんでいく。子供達もま
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