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ヤザン・リガミリティア
害獣侵入
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「アイネイアースに、鹵獲したゾロアット…後はボロボロのガンイージ。

戦力らしい戦力はゾロアット一機で、僕が言うのもなんだけど子供だけでザンスカールの首都に行くなんて…無茶じゃないかな」

 

トマーシュも、今にも握っている操縦桿の手が震えそうになる。それぐらいには不安だった。

アイネイアースとは、太陽電池衛生ハイランドのマサリク一家達が、自力帰還の為に衛生の資材を使って自作したハンドメイド艇だ。

だから当然MS運搬能力は無い。

そのアイネイアースに、無理やりMS2機をワイヤーで括り付けて、ヤザン御一行はアメリアまでの旅程をこなす。確かに無茶だった。

 

「ジャンク屋一家…。一家か……うん、なんか悪くないよな、こういうの」

 

杜撰な作戦のようにも思えて心配はある。あるが、それを思いすぎても仕方がないし、これ以上の代案を即座に出せと言われて出てこないのだから、取りあえずはこれがベターなのだ。

それに、この疑似家庭とでもいうべき雰囲気は、ウッソは嫌いではない。ここに大切なシャクティがいれば、それはもっと良いものだろうとウッソは思う。

小さなウッソの呟きは、騒がしいオデロやスージィ達の喧騒に消えていった。

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 

アメリアに近づくにつれ、警備は厳しくなる。

前線では正規兵が踏ん張っているザンスカールだが、首都の警備ともなると学徒兵の割合も増えてきて、その内情の厳しさを伺わせた。

彼ら学徒兵に与えられていたMSシャイターン≠ヘ、未熟な少年兵達でも充分な火力を発揮できる砲撃機で、全身に備えたメガ粒子砲からハリネズミのような弾幕を展開できた。

だが、隕石への偽装だとか、そういう対策もしないで、正規の航路をよたよた飛ぶオンボロ宇宙船を見て、シャイターンにのる学徒兵達がのんびりとした空気さえまとって検問によってきたのだから、シャイターンの真価など発揮できるわけもない。

 

「ふーん、ジャンク屋か。このご時世に、随分大変だな」

 

「あぁそうなんだよ。見て分かると思うが…この子達を食わさにゃならなくてなぁ。親戚の子もいるんだが、生き残った大人はオレだけでよ!ったく戦争ってのはジャンク拾いには都合がいいけどよォ。羽振りいいのはデカい業者だけで、俺みてぇな零細は本当に商売上がったりだぜ。あんたらザンスカールだろ?早いとこ、連邦なんちゅー既得権益貪ってる豚は潰してくれよ!ジャンク拾うには困らんが、戦争戦争で、この子らの親も死んじまって……せっかく捕まえた若い女房もよォ…イングリッドってんだが、こんないっぱいの血の繋がってない子供達の親はや
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