害獣侵入
[2/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
星をさされ、ウッソの頬を伝う冷や汗が増えていく。
この人の野獣的感性と人生経験値を、分かっていたつもりでまだまだ甘く見ていたとウッソは観念する。
少年の幼い諦念顔を、獣が如くの凶相の瞳がジロリと睨んだ。
「脱走に、機密の持ち出し……軍隊なら銃殺もんだ。この民間組織のリガ・ミリティアでも、最低でもここで貴様を一発修・正・といく所だがな…。
こっちはこっちで、救出作戦で必ず助けてやると大言吐いて、まんまとファラ・グリフォンにしてやられた落ち度がある。
後は、そうだな…。シャクティが女王マリアの娘という事を、ひた隠しにしていた事もだ。
貴様に殴られてやると言った手前……互いにチャラだ」
「ヤザンさん…」
「お前にとって、シャクティがどれ程大切なのかは、これまでの事で少しは理解しているつもりだ。
…だがそれは、貴様とはベクトルが違うが、俺達リガ・ミリティアの大人にとっても同じでな。
だから、一人で焦るな。俺達も、すぐに次の矢を考えているんだ。
お前一人で駆け回るより、俺達と走る方が速い。たとえお前がスペシャルなニュータイプでも…一人じゃどうにもならん事もある」
ニュータイプが持つ可能性と、所詮一生物に過ぎないニュータイプの限界。そのどちらもヤザンは見てきたから、ウッソを一人で放り出したりはしない。
ウッソの目が伏し目がちに泳いだ。
「だからな…ウッソ。すぐに次の手に移るぞ」
「え?」
すぐにオデロ達を呼べ、とヤザンの顔が悪どく微笑し、ウッソはそんな野獣の顔を驚いたように見つめたのだった。
◇
「本当にこんな方法で大丈夫なんですかぁ?」
「喚くなよ!どっちみち無茶は承知だ。俺達はゲリラ屋なんだぜ…。利用できるもんは何でも使わなきゃなァ?特に、ガキを使えば大人は油断するもんだ」
ぶつくさと言うオデロに、後部座席にふんぞり返るヤザンが粗野に言い返す。
「ガキを戦争に使うのは、クソ喰らえだってポリシーどうしたンですか…」
「そうも言ってられん状況になったって事だ。さっき説明しただろうが」
「シャクティがお姫様だってんでしょ?そりゃザンスカールの奴らのトコにいるのがヤバいってのは、俺でも分かりますよ!でも隊長だってまだ怪我治ってないし、それにスージィ達までサイド2に連れてくって―――」
「お前達は覚悟の決まったガキどもだ。もうただのガキ扱いはせん」
ヤザンにそう言われ、子供
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ