妖獣の手のひら
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て、そしてそんなものをいつまでも見逃すファラではない。
赤い光が火花のように瞬いて散った次の瞬間、またも強烈な狙撃がヤザン隊を襲う。
「っ!チィ!?」
隊の中心を切り裂くように紅い砲撃が這っていき、咄嗟に散る三人。
パイロットがスペシャル…或いはそれに近しいエース級であり、そしてそのパイロットの反射反応を、すぐさま動きに反映できるドライブ搭載MSという組み合わせだから出来た事だ。
たとえ機動力に特段進化した今世代MSでも、虚空の闇から突然降って湧く超々ロングレンジからの狙撃など、普通は躱せるものではない。
だが、避けたはずの赤いビームは、吸い込まれるようにベスパの艦を貫いた。
多くのメインノズルをヤザン隊にやられていながらも、残ったサブスラスターを酷使して必死に逃げようとしてそのリシテア級は、しかも、またメインジェネレーターが狙われていて、撃ち抜かれた拍子に巨大な核弾頭となってこの世から消滅してしまった。
「また!?な、なんなのよ…これは!」
カテジナが思わずヒステリックに叫んだのは、頭の奥底に、まるで命が砕けるような音≠ェ甲高く響いたからでもあったが、それ以上に敵の砲撃が腹立たしいと感じたからなのは、さすがに負けん気の強いご令嬢だった。
理不尽とも思えるぐらいのピンポイントアタック。
めきめきと頭角を現し、いっそ不気味で薄気味悪いとすら思った真のスペシャル・ウッソ少年ですら、こうも上手くできまいとカテジナは思う。
それぐらいの理不尽な攻撃だったが、その理不尽さに叫んだのはなにもカテジナだけではない。
戦闘能力の大半を喪失したラステオの艦橋で、ドゥカー・イクとレンダの二人も悲愴と怒りを綯い交ぜにした顔で恨み節を吐き出していた。
「これはどういう事か!なぜ…なぜだ!」
「少佐、これは…明らかに友軍を狙っています!」
「ファラのザンネックは…私達の艦隊ごとガンダムを葬ろうというのか!!?」
「ゲトル・デプレか、それともファラの策かは分かりませんが、味方を見殺しにする程度ならばまだしも、私達を爆雷代わりに積極的に撃つ!こんな背信行為!!」
試作サイコミュMSのリグ・リングによって、ファラの思念を受信、増幅させて、敵のスペシャルの認識能力を誤認させるという、ファラの策。
ウッソの高いニュータイプ能力が仇となったが、そもそもこんな芸当が出来るのも、ファラ・グリフォンというやはり規格外のスペシャルがいたからで、そしてそれを活かせるマシーンもザンスカールには存在したから、ウッソ程のスペシャルを騙し果せた。
「こんな所で、味方に殺されては私達の夢は…バイク
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