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機動戦士ガンダムSEED DESTINY the oath
戦火の兆し
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ゼラは確かな手応えを感じていた。
アビスは突きを弾かれたことにより体勢が崩れ、回避は不可能。もしシールドで防がれてもこのビームアックスならばシールドごと切り裂けるだろう。
ビィー!ビィー!ビィー!
コックピット内にアラートが鳴る。
アビスの胸部が光り、エネルギーが収束しているのが見えた。
『もらったぁー!!』
その瞬間アビスの胸部から大口径のビームが発射される。考える間も無く、ゼラはビームアックスを手放し、スラスターを全開にして機体を後方へ飛び引かせ回避する。
次の瞬間、リバティのビームアックスは跡形もなく消え去った。
ヘルメット内でゼラの頬に汗が滴る。
間一髪だった。あと0.1秒でも反応が遅れていたらと思うと...
『シン!ゼラ!分かっているのか!?命令は捕獲だぞ!』
ミネルバから通信が入る。モニターを見ると黒服に身を包んだ男、ミネルバ副長のアーサー・トラインが映っていた。
切羽詰まった状況の中、突然の通信にゼラは眉をひそめる。
『分かっているだろうな?あれは我が軍の...』
『分かってます!でも、できるかどうかわかりませんよ!』
「ったく無理難題を押し付けてくれる...」
シンも厳しい状況なのだろう。通信から聞こえてくる声からは余裕の無さが伺えた。
『だいたい!何でこんな事になったんです!?』
いや、案外余裕なのかもしれない...
「おいおい、シン。とりあえず落ち着けって。とりあえず深呼吸でもして、な?」
ビームライフルと背部のビームガトリング砲ーハイドラ2門で段幕を張りながら、シンの通信に答える。
肩に入ってた力が少し抜けた気がした。
『うっさいぞゼラ!何でこんな簡単に、敵にー!』
通信機からシンの声を遮り、凛とした女性の声が割って入ってきた。我らが艦長、タリア・グラディスである。
『今はおしゃべりしてる時じゃないでしょう?演習じゃないのよ!気を引き締めなさい!』
シンとトライン副長への叱責だろう、2人が言葉を飲み込むのが通信機越しでも伝わってきた。なぜか艦長から自分までも睨まれた気がするが気のせいだろう。
軽口を叩きながらも、アビスとはしばらく銃撃戦が続いていた。MS同士の激しいドッグファイトにより辺り一帯は焼け野原になってしまっているが、もとよりここら一帯はアビスにより破壊し尽くされていた為今さらだろう。
今のところアビスとは互角に渡り合えているが、正直ジリ貧だ。向こうは大口径のビーム砲に加え、多数のビーム兵器を備えた機体であるのに対し、こちらは近接戦闘用のスラッシュウィザードを装備している。遠距離用の火器であるビームライフルとビームガトリングでは決定打に欠けてしまう。
しかし、近接戦に持ち込もうにも
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