第二十三話 南洋の神々その六
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「絶対にや」
「ないな」
「ほんまな、物語としては面白くても」
「不倫はするもんやないな」
「それする位やと」
それこそというのだ。
「もう自分でや」
「赤裸々に言うな」
「しかし不倫はせんで済むし罪に問われん」
「そう言うと不倫より遥かにええな」
「そうなるわ」
「そういえば日本ってそっちも否定してへんね」
綾乃はこの話にも入って来て言った。
「別に」
「そんな話ないな」
中里もそれはと応えた。
「同性愛もよおてな」
「そうしたことも別にええし」
「そう思うと寛容やな」
「そやね、こうしたことで禁欲は」
「お坊さんも同性愛よかったし」
表向きで実は明治維新以前でも僧侶が実は子供がいるという話があった、だからその前の話で簪を買うこともあったのだ。
「宗派によっては結婚出来たし」
「浄土真宗な」
「めっちゃ寛容やね」
「他の国に比べてな」
「そうしたお国柄ってことやね」
「こうしたことについてはな」
こうした話をしながらだった。
一行は先に進み遂に南洋、ポリネシアの神々のところに着いた。すると彼等を代表して精悍な南洋の民族衣装を着た青年が釣りに使う槍を手に言ってきた。
「よお、来たな」
「うわっ、まためっちゃ砕けた神様やな」
施はその神霊の声を聞いて言った。
「多分この神様が」
「おいらがマオイだよ」
神霊は自分から名乗った。
「宜しくな」
「やっぱりそうですか」
「ああ、それであんた達ここに来たってことはな」
「はい、戦に来ました」
施はマオイに答えた。
「そうさせてもらいます」
「それじゃあな、ただな」
「ただ?」
「体力と気力は万全だよな」
マオイはこのことを確認してきた。
「それで身体を清めてきたよな」
「もうそれは」
当然だとだ、施は笑顔で答えた。
「そうしてきます」
「それじゃあやろうな」
「今から」
「さて、南洋というたら海や」
その南洋、オーストラリアに生まれたシェリルが言ってきた。
「属性も攻撃もな」
「そうしたもんやな」
トウェインが応えた。
「ハワイと一緒で」
「そや、というかハワイもな」
「南洋って言えるな」
「こっちの世界でもアメリカやけどな」
国家の領域ではというのだ、ただし彼等が起きた世界では元々はハワイ王国が統一したがアメリカが大量の移民を送り込んで飲み込んだという経緯がある。
「自然環境で言うたらな」
「そうなるな」
「南洋に入るわ」
「そやな」
「それでや」
シェリルはさらに話した。
「そのことを頭に入れてな」
「戦うことやな」
「今回はな」
「そうそう、わかってなあんた達」
マオイもその通りだと笑って返した。
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