第二十三話 南洋の神々その五
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「火炙りやろ」
「死刑になって」
「確実にな」
「そやろな」
「日本やから出来たな」
「同性愛もそれを日記に書くこともな」
中里も応えた、尚平安時代の日記は土佐日記でも更級日記でも他人が読むことを前提として書いている。
「普通やった」
「ほんま凄いな」
「ボーイズラブは普通やった」
「そやったな」
「あと不倫も書いてたやろ、日記に」
シェリルが中里に言ってきた。
「あの頃」
「ええと、どの人の日記や」
「和泉式部さんや」
即ち和泉式部日記である。
「あの人な」
「そやったんやな」
「知らんかったか」
「ちょっとな、あの人そやってんな」
「平井保昌さんと結婚したのは知ってた」
このことはというのだ。
「僕もな」
「その前にや」
「不倫してか」
「日記に書いてたんや」
「物凄いな、それも」
「まさに源氏物語の時代やな」
シェリルはここでこう言った。
「あの人も不倫してたし」
「それも実のお父さんの奥さんとな」
「それで子供さん出来てな」
「帝になられてるわ」
尚占いで源氏の君の子供は三人と出ている、その為続編の宇治十条の主人公である薫が実は源氏の君でないことがわかるのだ。
「これってな」
「洒落になってへんな」
「不倫の中でもな」
「義理のお母さんとやさかいな」
「お話の中でも大罪になってる」
源氏の罪も終生罪の意識を抱いて彼の厭世観にもつながっている。
「それでずっと出家したいってな」
「言うてるんやな」
「あの人もな」
「それで許される話か」
「許されんやろ」
中里も即座に答えた。
「幾ら何でもな」
「義理のお母さんとってな」
「洒落にならんわ」
「不倫自体がな」
「そうやさかいな」
「まあ物語では多いし神話でもな」
「多いけどな」
不倫の話はというのだ。
「それでもな」
「やってええことやない」
「そやな」
「私等はせん様にや」
シェリルは言った、
「していかんとな」
「そんなんしたらめっちゃ大変やしな」
「罪に問われんでもな」
尚国家によっては今も罪になる、イスラム圏ではそう定められている国が現在でも存在しているのだ。
「裁判でな」
「慰謝料とかの話になるやろ」
「それでえらいことになるな」
「そやからな」
「不倫はせんことやな」
「同性愛はしても」
こちらはいいがというのだ。
「不倫はな」
「あかんな」
「碌なことにならんわ」
「それが常やな」
「いい結末なんてな」
不倫をしてというのだ。
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