第85話 力比べ
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バートを上段に構えるアイネスの姿があった。
「もう逃げられないぞ」
「ん、そうみたいだね」
フィーの背後には大きな穴、前方にはアイネス、逃げ場がなかった。アイネスはこの状況を作り出す為にフィーを脆くなった場所まで誘導したのだ。
「どうする、ここで降参しても構わないぞ。私はお前を殺す事が目的ではないからな」
「……」
アイネスの言葉にフィーは考える。目の前の相手が嘘をつくような奴じゃないとフィーも戦っている内に察している、見逃すと言う言葉は嘘ではないだろう。
だがもしここで逃げてしまえば自分はこの先の戦いをリィンやラウラと一緒に進むことが出来るのか?
仮にもしまたレオンハルトと遭遇して今度は生き残れるのか?
色々な事を考えてフィーは一つの答えを出した。
「……わたしは逃げない、最後まで戦う」
「いいのか、死ぬかもしれないぞ?」
「ここで逃げて生き残っても結局いつか殺されるだけ、なら死ぬ覚悟をして何かを掴める可能性にかけた方がよっぽどマシだ……!」
フィーは覚悟を決めた目でアイネスを見据えた。
「わたしはリィンとラウラと一緒に生きていくんだ!それを邪魔されるなんてウンザリなの!皆を守るには強くなるしかない、だからわたしは逃げない!」
フィーはハッキリとそう告げる。それを見たアイネスは目を閉じてフィーに謝罪した。
「済まなかった、戦士としての誇りを侮辱してしまったな。情けをかけるなど無礼でしかない、私の全力を持って相手をしよう」
アイネスはそう言ってハルバートを握る片腕に力を込めた。
「行くぞ、フィー・クラウゼル!」
「勝負!」
そして二人は同時に駆け出した。アイネスは片腕にも関わらず凄まじい速度でハルバートを振り下ろした、それに対してフィーは双銃剣を構える。
「はあぁぁぁぁぁっ!!」
「やあぁぁぁぁぁっ!!」
二人の影が交差して大きな砂煙が立ち上がった、そして砂煙が晴れると……
「ば、馬鹿な……!?」
「……わたしの勝ちだね」
アイネスのハルバートを斬り裂いで彼女の胴を大きく切り裂いたフィーの姿があった。
「がふっ!」
「ぐっ……」
胴を斬られたアイネスは膝をついた、フィーも血が出る個所を抑えて顔を痛みで歪める。
「な、なぜ我がハルバートが斬られたのだ……お前の力ではとても断ち切れないはずだ……」
「ん、貴方の言う通りわたしではその大きなハルバートを両断するのは無理、だから合わせたの」
「合わせた……な、なるほど、そういう事か……」
アイネスは斬られたハルバートの切り口を見て納得した。そこに
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