暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜西風の絶剣〜
第85話 力比べ
[5/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話



「はぁっ!!」
「がっ!?」


 折れた腕を上にあげてフィーの背中を自身の膝の上に叩きつけた。背中を走る衝撃にフィーは苦痛の表情を浮かべてアイネスの手から腕を離してしまう。


「はぁっ!」
「やぁっ!」


 そこにアイネスの折れていない腕から放たれた打撃がフィーの腹部に決まった。だがフィーも空中で器用に体をひねりアイネスの顔を蹴りぬいた。


 フィーは滑るように地面を転がりアイネスは顎を揺らされたから尻もちを付いた。二人はふらつきながらも立ち上がり武器を構える。


「ははっ!こんなに高ぶってきたのは久方ぶりだ!さあもっとやろう!フィー・クラウゼル!」
「望むところ……!」


 そしてフィーの双銃剣とアイネスのハルバートがぶつかり合った。片腕が折れているというのにアイネスの振るうハルバートはすさまじい重さだった。


 フィーは双銃剣をふるい攻撃をいなしながら反撃のチャンスを伺うが先程受けた衝撃がいまだ体に残っており踏み込みに力がない。


「どうした!先程までの勢いが無いぞ!」
「うっ……」


 勢いよく振るわれた横なぎの一撃、フィーはそれを上半身を仰け反らせてギリギリで回避する。


「はっ!」


 そしてアイネスの眉間に銃弾を撃ちこもうとした。片腕は使えないので先程のように体術で邪魔はされることはない、フィーは勝利を確信して引き金を引こうとする。


「せいっ!」


 だがアイネスは折れた腕で体当たりを仕掛けてきた。予想外の攻撃にフィーの体が動かされて銃弾が外れてしまう。


「貰った!」
「があっ!?」


 そしてアイネスのハルバートによる突きがフィーを襲った、幸い斧の部分が反対の方を向いていたため致命傷は避けれたがハルバートの先端の鋭い突起がフィーの横腹を抉る。


 フィーは咄嗟に体をひねったので内臓に傷をつくことは避けれたが決して浅くないダメージを受けてしまった。


「兜割り!」


 再び放たれた上段からの一撃をフィーはなんとか双銃剣で逸らした、だが場所が悪かった。


「えっ……?」


 叩きつけられたハルバートの一撃が通路に大きなヒビをいれて遂に崩してしまった。そこは丁度先ほど同じように兜割りが叩き込まれた場所であり二度目の衝撃に通路が耐えられなかったのだ。


「くっ!」


 フィーは下に落ちないように瓦礫を駆け上がりワイヤーで通路に戻った。


「はぁ……はぁ……」


 痛む脇腹を抑えながらフィーは息を整える。だがこの時自分が追い詰められた事に気が付いた。


「……やられたね」


 フィーはゆっくりと背後に振り替えるとそこにはハル
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ